持てる時間のすべてを知的好奇心に費やして

福島大学 人間発達文化学類 准教授
鍵和田 賢(かぎわだ さとし)さん
平成16年北大文学部歴史学・人類学コースを卒業後、大学院文学研究科歴史地域文化学専攻修士課程を経て平成25年9月博士後期課程修了。博士(文学)。平成26年より現職。ヨーロッパ史全般の卒論指導や世界史の指導法に関する授業を担当。直近の論文では中近世のヨーロッパ都市に存在したキリスト教徒の宗教社団である「兄弟会」を分析した。

 

私の専門は西洋史です。大学2年生の時に訪れたドイツで中近世の姿を留める街々を見て、かつての人々の暮らしに興味を持ったのがきっかけで西洋史の演習に参加するようになりました。演習での多様な歴史の解釈を闘わせる議論は高校までの「覚える歴史」とは全く違う刺激的なもので、その面白さを味わい尽くしたくて大学院に進みました。
大学院で持てる時間の全てを自分の知的好奇心に費やしたことは非常に貴重な経験です。自分のテーマだけではなく、関連する様々なテーマについても時間をかけて学び議論することができたのは、大学院にいたからこその特権だったと思います。北海道大学の国内屈指の豊富な蔵書を始め、大学の環境もそれを可能にしてくれました。
知的好奇心の赴くままに、頭を精一杯働かせて知識を求め・考え・表現するという経験は、どのような進路を選ぶにせよ決して無駄にはなりません。ぜひ大学院でそのような学びを体験してみてください。