菅井 健太

プロフィール

菅井 健太 准教授 / SUGAI Kenta
研究内容

ロシア語やブルガリア語を中心とするスラブ諸語の文法研究、ブルガリア国外のブルガリア系マイノリティの言語記述研究

研究分野
ロシア語学、スラブ語学
キーワード
文法論、スラブ語、対照言語学、言語接触、バルカン
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/言語科学分野/言語科学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/言語科学講座/言語科学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/言語・文学コース/言語科学研究室
連絡先

TEL: 011-706-3050
Email: ksugai*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

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関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
言語科学研究室菅井 健太 准教授

二つの言葉が混じり合う
言語接触から社会を問う

モルドバ共和国は、モルドバ人(ルーマニア系)のほかにウクライナ人、ロシア人、ガガウズ人、ブルガリア人などが暮らす多民族国家です。現地で暮らすブルガリア系住民はブルガリア語とロシア語のバイリンガルで、職場や学校では民族間の“共通語”の役割を果たすロシア語を一般的に用いる一方で、家族や仲間内ではブルガリア語を用いるという具合に二つの言語を併用する環境にあります。

私の研究では、このように二つの言語が隣接する言語環境にあるブルガリア語が言語接触によって起こした言語変化を文法的に解析するほか、社会言語学の視点からの分析も試みています。今後も現地での聞き取りを続け、人と言語そして社会の関わりを見つめていきます。

ブルガリアは方言研究の先進国。画像は北東ブルガリア方言の音声、アクセント、語彙、文法形態のヴァリアントの分布や広がりを記した『ブルガリア語方言地図第2巻』より。
モルドバのインフォーマントと自家製ワインで乾杯。何度も通い信頼関係を築くことで、仲間内の言葉で話してくれるようになる。

自分の関心を突き詰めて
顔が見える言語研究を

現在は膨大な言語データを研究室にいながらにして取得することができる時代ですが、私がとりわけ大切にしたいのは「顔が見える言語研究」です。現地調査の音源を聞き直すと、その時の会話や笑顔、出された食事の味までもが瞬時に甦り、言葉に体温が通い出す。その人間らしさに魅力を感じて今も現地に足を運んでいます。また北海道大学のスラブ・ユーラシア研究センターは研究地域が重なる先生が多く文献も豊富で、文学院での研究をさらに厚みのあるものにしてくれます。

学生の皆さんには、自分が本当に「知りたい!」と思ったことを迷わず突き詰めていってほしいと思います。言語研究の最前線は日々刻々と変わり、どこを切り取るかは皆さんの関心次第。新しい可能性の芽がそこかしこに眠っています。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

言語研究をする上では、研究対象とする言語の語学力を必要とすることは言うまでもありません。例えば、ロシア語を知らないでロシア語の言語研究をすることはできませんから、ロシア語を対象とした言語研究を志すのであれば、まずはロシア語の語学学習にしっかりと取り組まなくてはなりません。語学学習を進めていく過程では暗記も必要ですが、同時に様々なことに疑問を持つという態度も大事にしてもらいたいと思います。「これ、なんか不思議だな」とか、「どうしてそうなるの?」というような些細な疑問は、もしかするとその言語の本質に迫ったり、仕組みを解き明かしたりする糸口になるかもしれません。
ロシア語は、ロシア世界を理解するうえで欠かせない言語ですが、実はスラブ世界を知る上でもとても役に立ちます。スラブ語同士は互いに近似性が高いので、これまでロシア語の勉強に取り組んできた人なら、ウクライナ語やポーランド語、チェコ語、ブルガリア語、セルビア語などの言語の習得は比較的簡単です。ロシア語以外にもう一つ別のスラブ語を学ぶことで、ロシアとはまた違った新しいスラブ世界を見出すことができるようになるばかりか、ロシア語を相対的な観点から見つめなおすことにもつながるため、ロシア語の知識を深める上でも大きな利点があります。ロシア語研究に取り組むにあたって、ロシア語の習得が極めて重要であることに変わりませんが、せっかくなら他のスラブ語にもぜひ関心をもってもらいたいと思います。

研究活動

略歴

東京外国語大学外国語学部ロシア語専攻卒、同大学大学院総合国際学研究科博士前期課程修了、博士後期課程単位取得満期退学、博士(学術)。筑波大学人文社会系・助教を経て、現職。

主要業績

  • 『新ロシア語読本―古典文学からレシピまで』(共著、東洋書店)
  • 『まずはこれだけルーマニア語』(共著、国際語学社)
  • Sugai, Kenta (2018) “On Contact-induced Grammaticalization of the Clitic Doubling Construction: A case of the Bulgarian Northeastern Dialect in Romania.” in Gutiérrez Rubio, E. et al. (eds.) Contributions to the 21st Annual Scientific Conference of the Association of Slavists (Polyslav), Wiesbaden: Harrassowitz, 272-281.
  • Сугаи, Кэнта (2016) Структура удвоения дополнения по модели левой дислокации в болгарском переселенческом диалекте в Румынии, Славянский альманах 2016, Вып.3-4, Москва: Изд. “Индрик”, 344-354.
  • Сугаи, Кента (2015) За някои специфични характеристики на местоименните клитики в гребенския говор в Румъния, Българска реч XXI, кн. 2, София: УИ “Св. Климента Охридски”, 102-109.

所属学会

日本ロシア文学会、日本スラヴ学研究会、日本ロマンス語学会、日本言語学会、ロシア語研究会「木二会」、Association of Slavists POLYSLAV

教育活動

授業担当(文学部)

  • ロシア語学概論
  • ロシア語学演習 I
  • ロシア語学演習 II

授業担当(文学院)

  • 西洋言語学特別演習

授業担当(全学教育)

思索と言語

おすすめの本

  • 『スラヴ語入門』三谷惠子著(三省堂)
    スラブ語の概要を知ることができます。一般向けに書いてあるので、とても読みやすいです。スラブ語に関心がある方はもちろん、ロシア語を学んでいる方にも一読をお勧めします。