佐藤 知己教授が国際公募アーティストインレジデンス事業の作品制作に協力しました

さっぽろ天神山アートスタジオで実施された「2016年度国際公募アーティスト・イン・レジデンス(AIR)事業」の招へいアーティストである福永敦さんの作品制作に、佐藤 知己教授(言語情報学講座)が協力しました。

このAIR事業は、国際的に活躍するアーティストを毎年3名招へいし、冬期間の札幌・北海道をフィールドに滞在型制作(調査研究と作品制作など)を行うものです。今年度のプログラムキーワードは『冬・雪・北方圏』です。

ドイツを拠点として、音を素材とするサウンドアーティストとして活躍する福永さんは、今回、「アイヌ語のオノマトペ」をテーマに、リサーチと作品制作をされました。調査の過程で、アイヌ語のさまざまな表現に関する情報収集のため、アイヌ語を専門とする佐藤先生の研究室を訪問され、インタビューをされました。佐藤先生は福永さんの質問に答えるとともに、参考文献や論文を紹介しました。

2月26日は、その作品発表とアーティスト・トークが開催されました。佐藤先生も天神山アートスタジオに駆けつけ、作品を見たり、アーティストや関係者と交流したりしました。

アイヌ語の音のニュアンスを表現した福永さん(左)のドローイング作品の前で談笑する佐藤先生(右)

今回、福永さんの作品は、刺繍によるドローイング作品「sonko kor kur」のほか、アイヌの口承文芸のカムイユカラの囃詞である「サケへ」を引用したサウンド・インスタレーション「ikóynu」もありました。この作品はクロージング・イベントのなか、天神山アートスタジオの吹き抜けのホールで披露されました。作品の途中からアイヌの伝統歌を歌うアーティストのマユンキキさんと福永さんの唄と手拍子から始まり、最後は会場の全員が作品に合わせて手拍子が広がりホールは一体感に包まれました。