若手研究支援セミナー2014「アカデミックポストにたどりつくまで」開催されました

若手研究者支援セミナー20141208(案)

12月8日(月)、若手研究者向けに、アカデミックポストへの就職を支援するセミナーが開催されました。当日は、大学院生を中心に学部生からポスドクの方まで約40名の方が参加しました。ともすれば深刻になりがちなトピックにもかかわらず、話題提供の先生による厳しさをユーモアで包んだ体験談に、会場は始終笑いがこぼれる和やかな雰囲気のセミナーとなりました。

はじめに蔵田先生からセミナーの意図と現状のお話があり、その後、文学研究科を修了し最近テニュアポストに就かれた3名の方に体験談を紹介していただき、就職までの道筋、どのような支援制度を利用したのか、就職市場のなかでの自身のセールスポイントなどについて話していただきました。

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セミナーの意図を説明する蔵田先生

お一人目の松永先生(静岡理工科大学講師)からは、日本の中央から離れた立地の北大だからこそ、時流に流されない独創的な研究をはぐくむ土壌がある、すべての仕事を引き受ける気持ちで臨んだことが、新しい知識や技術の習得、ひいては研究の裾野の広がりにつながったとお話がありました。

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科研費や学振特別研究員、文学研究科の専門研究員制度を利用し
ポスドク時代を乗り切った、と語る松永先生

次に森口 眞衣先生(日本医療大学准教授)からは、限られた時間と環境の中でも、研究者として生きのびる覚悟、継続的に研究成果を発表しつづける姿勢、生活を支えていく態勢をとり続けることの大切さについてお話がありました。

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研究以外の活動であっても、後から研究に役立つこともある
活かせるかどうかは本人次第、と語る森口先生

最後に、横川 大輔先生(札幌国際大学講師)から、研究をつづけていくために金銭的支援を途切れず受け続けられる環境づくり、つまり「どう食いつなぐのか」というお話がありました。アカデミックポストにつくのは運、運は誰にでも巡ってくる、その運を自分のものにできる実力を蓄えておくこと、専門家として研究のおもしろさを伝えていく力を磨くことが大切、と話されました。

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カルチャーセンターや非常勤講師で鍛えた授業での話術が
模擬授業の際に役にたったと語る横川先生

この後、佐藤 淳二先生から総括のお話があり、セミナーはひとまずお開きとなりました。

セミナー終了後も、話題提供者や蔵田先生が参加者からの個別質問に対応しました。参加者からは、「将来備えるべきことがはっきりした」「自分の甘さを痛感した」など、役に立ちそうだ、参考になったという感想が多く寄せられました。