8月6日〜9日の4日間、Hokkaido Summer Institute (HSI) 2018 / 北海道サマーインスティテュート2018 開講科目のひとつ、Sociology of Language, Language and Wellbeing in Japan(社会言語学:日本における言語とウェルビーイング)が開催されました。

このプログラムは、ヴェネツィア大学より日本の言語に詳しい社会言語学のトップランナーであるパトリック・ハインリッヒ先生をお招きして、文学研究科社会システム科学講座のホメリヒ・カローラ先生と協働しておこなう集中講義で、今年で開講3年目になります。
授業では、言語の問題と相互に関連する社会現象について取り扱いました。日本の近代化における言語の役割に焦点をあて、豊富な事例を用いた講義と、トピックごとに行われるディスカッションを織り交ぜて授業が行われました。取り上げたトピックは、日本の近代化とともに変遷してきた言語、国語政策、言語の多様化、標準語と方言、国際化・多文化共生による変化、アイヌ語、琉球語、言語と経済の問題、言語景観など多岐にわたりました。

講義は、身近な事例をたくさん取り上げ、時折ジョークも交えて行われ、教室はとてもリラックスした雰囲気となりました。この雰囲気を受けて、トピックの区切りごとに行われるディスカッションは、多くの受講生が積極的に発言し、とても活発なものとなりました。
3日目の午後は、「言語景観(Linguistic landscape)」をテーマに、札幌駅に事例収集に行きました。札幌駅周辺にある看板、広告、地図などの中から、他言語表記されている例を集め、その特徴や目的を考える演習です。
画面下には言語別に航空会社の連絡先QRコードが表示されています
翌日、各自が収集した言語景観の例とそれについて考えたことを発表し、発表内容についてディスカッションを行いました。
今回参加した受講生からは、「広範囲のテーマ、熱心な先生、よい雰囲気のクラス、アクティブな受講生。これまでのところ、今セメスターで最も評価できる授業」「受講生とグループになって、札幌駅の公共サインを集めたことが楽しかった」「多くの異なる国籍の受講生と一緒にアイデアや経験を共有できたことはとても貴重な経験」「トピックごとに行われる多くのディスカッションがよかった」「多くの例を挙げて難解な概念の理解を助けてくれた」など、多くの高評価のコメントが寄せられました。