札幌開成中等教育学校にて読書会を行いました

7月6日(木)、市立札幌開成中等教育学校メディアセンターにて、橋本 雄一教授が「災害に挑む地理情報科学!」と題して読書会を開催しました。この読書会は、文学研究科の広報委員会が文学研究科の教育研究の一部を紹介する目的で2015年より行われており、今回は、札幌開成中等教育学校のコズモフロンティアセミナー2017とのコラボイベントとして実施されました。

今回の読書会でとりあげた本は、文学研究科ライブラリの『空間に遊ぶ―人文科学の空間論』です。この本の中で橋本先生は「空間と情報の地理学」をテーマに執筆されています。読書会では、橋本先生の専門である地理情報科学がどのように防災に役に立つかを、札幌市や北海道の沿岸市町村を例に挙げながら解説がありました。

参加した1年生から4年生までの生徒さんたちには、事前学習として「災害時緊急避難イメージトレーニング」のワークシートに記入していただきました。「自宅」「学校」「通学路」で震度6以上の大地震が発生した際に、どこに逃げ、避難後何が必要か、事前にできることは何かを考えてきてもらいました。

びっしり埋められた事前学習シート

事前学習でイメージができていたためか、生徒さん達は、地理情報システム(GIS)を用いた津波被害と住民避難の最新のシミュレーション結果や、国の防災対策の課題など、少し高度な話題も熱心に聞き、積極的に質問をしていました。地震予知や自然現象としての地震を研究対象とする理系分野の研究に対し、地震による避難や防災に研究の力点を置く人文社会系研究の意義については、新たな気づきとなったようです。

「地震は災害だと思う人?」橋本先生の質問に手を挙げる生徒さんたち

(答えは、地面の揺れそのものは災害ではなく、地震が引き起こす被害が災害となります。地震災害とはいわず「地震による災害」と表現します。)

読書会終了後は、引き続き橋本先生が「文学部紹介」を行いました。文学部にはさまざまな研究分野があり、社会の幅広い領域に貢献していることを紹介しました。8月に開催されるオープンキャンパスへの参加呼びかけも行いました。