〈Hokkaido Summer Institute 2024〉 「史跡ツーリズム:北海道の場合」開催されました

9月2日~6日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2024 文学部・文学院開講科目のひとつ、「史跡ツーリズム:北海道の場合」が開講されました。米国ポートランド州立大学のKenneth Ruoff (ケネス ルオフ)教授と、文学研究院国際交流担当のMichelle La Fay (ミシェル・ラフェイ)教授が協働し、対面とオンラインを併用したハイブリッド形式の授業を行いました。

Ruoff教授(左)とLa Fay教授(右)
講義概要を説明するRuoff教授(左)とLa Fay教授(右)

本科目は講義と史跡の現地視察を通して、植民地化、近代化、先住民族といったトピックを含め、史跡がいかに歴史的な物語を提供するかについて理解を深めることを目的としています。

受講生は、事前に配布された参考文献の一部を読み、各自がディスカッション・クエスチョンを持ち寄りました。Ruoff教授は、受講生からの質問に答えながら、史跡で提供される歴史的物語をどのように分析するかについて議論を深めていきます。

受講生に語りかけるRuoff教授
ディスカッションを行う

史跡の保存・公開のもととなる過去の歴史の捉えられ方は、史跡を訪れる人々の歴史認識に大きな影響を与えます。国家にとって重要だとみなされた建造物や史跡は、観光資源として特別な扱いを受けることがありますが、それらの価値は批判的に判断することも可能であるとRuoff教授は言います。

開講期間中、受講生は札幌キャンパス内の古河講堂と中央ローンを流れるサクシュコトニ川、キャンパス外の清華亭と北海道庁旧本庁舎(通称:赤れんが庁舎)を見学しました。現地では、Ruoff教授とLa Fay教授が歴史や分析方法について説明しました。

古河財閥からの寄付により建設された古河講堂前にて
サクシュコトニ川の川べりを歩く
明治天皇北海道行幸の際、休憩所として建築された清華亭内部
北海道庁旧本庁舎前でRuoff教授の解説を聞く
改修中の旧本庁舎前にて

 受講生は、講義のない時間帯を利用して、各々が選んだ札幌近郊の史跡を訪問し、その歴史的物語について報告しました。

講義の最終日には、5日間の感謝を込めて、受講生からRuoff教授に寄せ書きが贈られました。 

講義終了時(右端はTAを務めた大学院生の深尾紘平さん)

史跡ツーリズムを扱う本講義は、Hokkaido Summer Institute2025にて2025年9月にも開講予定です。