9月12日~16日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2022 / Hokkaidoサマー・インスティテュート2022文学部・文学院開講科目のひとつ、Philosophy(Lecture): Topics in Applied Modal Logic 2022 / 哲学特殊講義: 応用様相論理学の諸相 2022が開講されました。講師は入門編から引き続き佐野勝彦先生(哲学倫理学研究室・准教授)と、ノルウェーからThomas AGOTNES(トーマス・オーゴートネス)先生(ベルゲン大学・教授)をお迎えし、HSI2019から3年ぶりに対面での授業となりました。
本科目では、論理学の初歩的な知識とある程度の習熟を前提に、必然性・可能性を扱う”様相論理”、過去・未来といった時制を扱う”時間論理”、複数の主体の共有知識や相互的知識を含む知識を扱う”認識論理”とその動的変化を扱う”動的認識論理”を講義形式と演習形式で学びます。
初回の授業は、まずは講師の先生と履修生の自己紹介から始まり、次いで講義全体について説明がありました。履修生の中には、8月29日から9月2日まで開講された入門編「論理学入門」にも参加していた履修生もいて、論理学の基礎から発展までを短い期間で修得します。
履修生は、「他の人が何を知っているかについて自分が知っているということを他の人が知っているということを自分が知っている・・・」といった複雑な相互知識が果たす役割、人の行動や発話によるその動的変化、ソーシャルネットワークにおける情報の流れやそこで発生する問題など、現実の生活にも見出される現象が論理によりどのように解明されるかを主体的に学んでいきます。
最初の4日間は、履修生は講義で知識を増やし、演習で解く経験を増やします。そして、最終日には、チームに分かれて課題を解きスライドを作成して集中講義で学んだ成果を発表します。
全チームの発表と発表に対する質疑応答が終わると、最後のしめくくりとして授業全体についてのまとめと履修生のがんばりに対する謝意の言葉を招へい講師のオーゴートネス先生からいただきました。
履修生にとって論理学に集中できる充実した5日間になったようです。海外の研究者から英語で論理学を学べる本科目は、次年度も引き続き佐野先生とオーゴートネス先生の協働で開講する予定です。