7回北大人文学カフェ「そうだ、聖地へ行こう」開催されました

1月29日(日)、紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第7回北大人文学カフェが開催されました。今回は、「そうだ、聖地へ行こう」と題して、話し手の守川知子さん(文学研究科、東洋史学講座)が、イスラーム・シーア派の巡礼の話題を中心に、会場の皆さんと語り合いました。

当日は、雪模様の寒い中、100名を超える多くの方にご来場いただきました。守川さんのソフトな語り口に、カフェは終始和やかな雰囲気で進行しました。

第1部は、話し手のトークを中心に進行しました。イスラームや巡礼についての解説の後、シーア派およびシーア派の聖人の紹介がありました。さらに、シーア派の人々が行うメッカ巡礼と聖人の墓廟参詣について、昔と現在の違いもまじえて説明がありました。また日本人の心情とも共通する点などについても触れ、巡礼の意外な側面も浮き彫りにされました。

「日本の旅行代理店と同じように、イランにも『巡礼旅行代理店』があり、このように広告しています」
守川さんが現地調査で収集した巡礼の土産物の紹介
休憩時間には、参加者も自由に手にとって守川さんとの会話を楽しみました

第2部は、会場の皆さんから寄せられた質問に対して、守川さんが回答していく対話コーナーでした。会場からの質問は、あらかじめ配付された質問カードに書いていただきました。これをテーマごとに紹介し、守川さんが回答していきました。

たくさん寄せられた質問に目を通す守川さん。会場の皆さんの関心の高さに、にっこり笑顔

寄せられた質問は、「イスラームそのもの」「シーア派とスンナ派の違い」「巡礼について」「女性研究者としての守川さんについて」など多岐にわたりました。時間の関係ですべての質問にはお答えできず、申し訳ありませんでした。

会場からいただいた参加者アンケートの中から、感想の一部を以下に紹介します。

  • 現在のマスコミではほとんど流されていない情報に触れることができました。
  • シーア派に関して一般の場で詳しく聞ける機会は少なく、大変有意義で面白かった。質疑応答では活発な議論が展開されていて聴き応えがあった。
  • 宗教もやはり人の営み・・。経済の基盤あり、欲望の遂行ありなど、建前と本音があるんだなと分かり、ある意味ホッとしましたが、人間の業の深さも感じ、複雑な気持ちになりました。全部ひっくるめて面白かったです。

この人文学カフェのようすは近日中に北海道大学のオープンコースウェアにて公開される予定です。