サブカル好き!大学院で学びテレビ局へ、クドカンとの仕事を目指す

プロフィール

陸 正妍 さん(株式会社WOWOW 勤務)
中国江蘇省出身。中国南京大学金陵学院で国土資源と不動産開発を学んでいたが、日本のドラマやバラエティ、アニメ、映画などへの関心が強く、専門の勉強より日本文化に傾倒していた。自分はなぜそこまで日本文化が面白いのかを追求したくて日本語の勉強を始め、大学4年生の頃、日本語能力試験N1に合格した。大学卒業後の2013年に、研究生として北海道大学文学研究科に入学。阿部嘉昭先生のもとで学び、翌年修士課程に入学。言語文学専攻 映像・表現文化論専修にて宮藤官九郎のテレビドラマにおける笑いについて研究。2016年3月修了、2016年4月より株式会社WOWOWに勤務。

北大文学研究科(言語文学専攻)を選んだ理由

私の関心がある日本サブカルチャーを学べる大学・研究室についていろいろ調べてみたところ、阿部先生の研究室紹介のページが一番面白く感じました。そこには、「サブカルチャーや現代コンテンツは、作品として細かく分析する必要がある。それによって新しい世界が見えてくる」旨が書かれており、まさに私が勉強したいことじゃないか!と心のどこかで運命を感じました。 また、恥ずかしながら、倉本聰さん脚本のドラマを見て北海道に憧れがあったのも大きかったかもしれません。

大学院ではどんな研究を

宮藤官九郎のテレビドラマにおけるお笑いについて勉強しました。 「笑い」の定義から、古典喜劇における「お笑い」の理論、日本テレビ番組の形態まで、先行研究を踏まえた上、『マンハッタンラブストーリー』、『タイガー&ドラゴン』、『あまちゃん』、『ごめんね青春!』を取り上げ、それらの作品が用いたお笑いを分析し、その仕組みと効果について研究しました。

大学院に行ってよかったですか

北大が大好きで、大学院に行ってよかったです。映像・表現文化論講座で学んだ2年間、哲学、映画、文学、サブカルチャーに限らず多ジャンルの授業を受けて、作品に対する感受性が高まり、世界がよりはっきり、かつ豊かに見えてきたのです。

在学中、大変だったことは

学位記授与式の際の陸さん

英語テキストに関する発表と修論です。英語の哲学の文章を十分に理解した上で、日本語に直して発表するには、かなり時間かかりました。

 

修了後→現在までの道のり

日本のサブカルチャーが好きで大学院まで進学したので、今度は仕事でも是非映像コンテンツに関わりたいと思い、修了後の進路は、テレビ局を目指していました。オリジナルドラマや過去に放送されたアニメを見て、番組の質にこだわるWOWOWの社風に共感して志望したところ、運良く2016年4月に採用されました。

現在のお仕事の内容

2016年入社当時、「目の前を、おもしろく。」をコンセプトにしたCMで使われたWOWOWメガネ。今後はどんなCMが出てくるでしょう。楽しみですね!

現在はカスタマーリレーション部で加入者向けのプレゼントやイベントを担当しております。お客さまにとって、どんなプレゼント企画がより番組を楽しめるか、さらにどんなサービスを提供すればWOWOWのファンになってもらえるか、ということを日々考え、プレゼント・イベントの企画・プロモーションに取り組んでいます。

 

大学院で学んだことは今のお仕事に役に立っていますか

大学院で学ぶことにより、日本文化への理解が深まりました。日本のエンターテイメントに関する知識と捉え方も、現在の仕事の役に立っています。

今後の目標・夢

今は顧客サービスを中心に取り組んでいますが、いつかは番組の制作と調達に携わりたいです。 そしてクドカンと一緒に仕事をしたいです!

後輩のみなさんへのメッセージ

「好き」が原動力です。「就職か進学か」で悩むあなたも、「好き」の天秤がどちらに傾いているか、自分の心の声を聞きましょう。少しでも「興味あり!」「もっと知りたい!」気持ちがあるなら、広い領域の多ジャンルの授業が用意されている北大文学研究科はよい学び先だと思います。北大の四季はとても綺麗で、勉強で疲れた学生を癒してくれます。キャンパスライフを楽しんでください!

留学希望の方へ:私は、阿部先生のもとで学びたいと、研究生に申し込んだときのメールが、初めて書いた日本語文章です。日本に来るまで日本語を喋る機会すらありませんでした。進学を検討しているあなたは、あの時の私より状況は悪くはないはず…まずは、勇気を出してみてはいかがでしょうか、大事なのは後から後悔しないことです!文学研究科の国際交流室の対応がとても親切で、スタッフの方の説明も丁寧で分かりやすいですよ。

(2017年9月取材)