若手支援セミナー
専門書出版への橋渡し―博士論文のその先へⅢ
博士論文を読む人と”学術書を読む人”は同じ?
博士論文が”本”になるために必要なこととは?
若手研究者が《学術書を出版する》意味とは?
提出した学位申請論文を単行本にしたいとお考えの博士後期課程の院生さんや、専門研究員の方。将来自分の研究書を出すことを夢見ている院生さん。これから専門的な単著を出したいと考えている若手教員の方。
本セミナーではそのような方々のために学術書の出版に際して「気をつけるべきこと」や「知っておいてほしいこと」について、四名の方々にそれぞれの立場や経験からお話ししていただきます。
これからのキャリア・プランに「出版」を組み込む機会にしてみませんか。
博士論文を本にしたい場合、そのままではなく”学術書”へのメタモルフォーゼが必要です。なぜなら、両者では読者層が違うからです。博士論文はその道の専門家、学術書はさらに周辺領域の研究者やその分野に興味がある一般の人も含まれます。博士論文で想定していた読者だけではなく、もう少し広い範囲が対象となります。博士論文は、大学院生時代の研究の集大成です。そんな博士論文を”本”に転身させる作業は、若手研究者として新たなテーマで研究をする中で、簡単ではありません。ですが、特に人文社会学系では学術書を出すことはキャリア・プランに深くかかわることも多くアカデミックポストを考えている方には挑戦していただきたい作業です。はたしてどんな作業が必要なのか?出版にまつわるアレやコレ、ぜひこの機会に知ってください。
今のところ博士論文を書いたり、本を出す夢はないけど”編集”というお仕事に興味のある方、博士論文を”本として出版するため”に必要なことについて興味のある方も、ぜひお気軽にご参加ください。
概要
日時
2022年10月26日(水)18:15〜19:45
開催方法
対面およびZoom開催(要事前申込)
場所
北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)W308室
対象
本学所属の修士・博士後期課程大学院生、専門研究員、ポスドク、教員等、学部生・研究生
※文学研究院・文学院・文学部以外の研究科・研究院・学部からの参加もOKです
話題提供
- 竹中 英俊さん(北海道大学出版会 相談役/元東京大学出版会 編集者)
「学問のすゝめ 出版のすゝめ」
〜今年は福沢諭吉『学問のすゝめ』初編が刊行されて150年、学制が頒布されて150年の年にあたります。近現代日本の教育と出版のおさらいをしながら、今日、高等教育を経て博士論文をもとにした本を出すことの意義と悦びについて、相対的に若い方々に向けてお話します。 - 川本 愛さん(北海道大学出版会 編集者)
「自分の博士論文を出版した編集者から、博士論文を出版したい人たちへ:なぜ出版し、どのように編集するのか」
〜自身の博士論文を出版後、現在は出版会で文学研究院教員・ポスドクほか多数の著書出版に携わる編集者から出版までの道のりをご案内します。 - 田村 理さん(北海道大学大学院文学研究院 専門研究員)
「博士論文を出版して」
~2015年3月に北大・文学(西洋史学専修)にて学位取得後、現在は専門研究員として若手研究に採択された”ヴィクトリア朝におけるフェミニズムと人権理念の関係について”研究中です。
『人権論の光と影-環大西洋革命期リヴァプールの奴隷解放論争』(2021年度発刊楡文叢書) - 李 媛さん(関西大学東西学術研究所 アジア・オープン・リサーチセンター ポスト・ドクトラル・フェロー/元 専門研究員)
「博士論文の出版準備に向けて」
~2017年3月に北大・文学(言語科学専修)にて学位取得後、北海道大学や京都大学でポスドクを経たのち現在は、関西大学東西学術研究所 アジア・オープン・リサーチセンターKU-ORCASで若手研究に採択された”玉篇系字書の全字形データベースとその字体記述体系に関する研究”などの研究を続けています。
『篆隷万象名義』(2022年度発刊予定楡文叢書)
楡文叢書とは?
北海道大学文学研究院専門研究員向けの出版助成シリーズで、これまで4冊発行されており、2022年度、2023年度にも1冊ずつ発行される予定です。
出版費用は北海道大学文学研究院、編集・出版は北海道大学出版会が全面的にサポートします。
情報提供
研究推進室から各種出版助成に関する情報をご案内
司会・全体総括
中村 三春(映像・現代文化論研究室 教授/研究推進委員会 研究支援専門部会長)
申込方法
参加をご希望の方はGoogleフォームからお申込みください
申込フォーム
申込締切:10月23日17時
オンライン参加を選択された方には、別途Zoom情報を25日までにご案内します。
主催
北海道大学大学院文学研究院 研究推進委員会
お問い合わせ
文学研究院 研究推進室
TEL: 011-706-4023
Email: kenkyu*let.hokudai.ac.jp(*を半角@に変えてください)