博士後期課程(出版時)稲葉 美里さんが「2016年度 SAGE北大 社会科学国際優秀論文賞」を受賞しました

文学研究科・人間システム科学専攻 行動システム科学専修の博士後期課程3年(出版時、現在は文学研究科専門研究員)の稲葉 美里さんが、2016 SAGE-Hokkaido Award for Best Journal Article in Social Sciences(2016年度 SAGEー北大 社会科学国際優秀論文賞)を受賞しました。

SAGEー北大 社会科学国際優秀論文賞は、北海道大学社会科学実験研究センターとSAGE Publications Asia-Pacificとの共催による、本学大学院生を第一著者とする人文社会科学系分野の国際論文賞です。

受賞論文は、以下の通りです。

標題:Robustness of linkage strategy that leads to large-scale cooperation.
著者:Inaba, M., Takahashi, N., & Ohtsuki, H.
掲載誌:Journal of Theoretical Biology, 409, 97-107.(2016)
受賞理由:協力の進化は、社会科学・自然科学における過去数十年に渡る最重要課題の一つである。本論文は、人間社会(特に近代以前の共同体型社会)における協力の存在を説明しうるメカニズムとして近年特に注目を集めている「連結」linkageと呼ばれるメカニズムに着目し、その成立要件を探ったものである。人間の認知能力の限界がもたらすノイズを考慮に入れた上で、数理解析とコンピュータシミュレーションを用いて、連結が協力の進化的基盤となりうるための境界条件を理論的に明らかにし、理論生物学のトップジャーナルの一つに掲載された本論文は、文理にまたがる人間科学諸領域に対して強いインパクトを持つものであると評価した。
審査委員:
・結城 雅樹(審査委員長、社会科学実験研究センター長・文学研究科教授)
・尾﨑 一郎(法学研究科教授)
・河西 哲子(教育学研究院准教授)
・竹澤 正哲(文学研究科准教授)

2017年3月16日、文学研究科にて授与式が行われました。
授与式の詳細については関連リンクをご覧ください。(社会科学実験研究センターのウェブサイト)

本記事に関するお問い合わせ先

高橋 伸幸
Email: ntakahas*let.hokudai.ac.jp(*を半角@に変えてください)