【研究成果】詳細スケールでのエゾシカ捕獲の効果をはじめて解明
効率的なエゾシカ対策に貢献

北海道大学大学院文学研究院の上野真由美准教授は、北海道立総合研究機構、森林総合研究所及び東京農工大学と共同で、捕獲の強化策によるエゾシカの減少効果が地域内で異なり、高密度エリアでその効果が高いことを明らかにしました。このことは、地域全体の個体数管理を効率的に進めるためには、捕獲努力の配分を最適化することが望ましいという結論を導きます。

この成果は、2025年7月22日(火)公開のJournal of Wildlife Management誌にオンライン掲載されました。北海道大学のプレスリリースでも紹介されています。

論文情報
  • 論文タイトル: Spatial variation in local population dynamics of sika deer, Cervus nippon, through intensified management(捕獲強化策によるニホンジカ (Cervus nippon) 個体数変動の空間的変異:27年間の解析)
    DOI: https://doi.org/10.1002/jwmg.70069
2020年までの27年間に行われたエゾシカ(図左)の捕獲強化策(狩猟規制緩和と許可捕獲に対する奨励金)により釧路地域のエゾシカ個体数は2度減少したが、その減少幅はいずれも直近のピーク個体数の約14%にとどまった(図右)。