〈Hokkaido Summer Institute 2024〉「社会変動論:現代台湾の市民社会文化技術:台湾へ向ける社会学的視点」開催されました

7月23日~26日の4日間、Hokkaido Summer Institute 2024 / Hokkaidoサマー・インスティテュート2024文学部開講科目、Social Change: Civil Society, Culture and Technology in Modern Taiwan: Sociological Perspective on Taiwan(社会変動論:現代台湾の市民社会・文化・技術:台湾へ向ける社会学的視点)が開講されました。本科目は文学研究院社会学研究室の伍嘉誠准教授と清水香基助教、招へい講師の台湾中央研究院社会学研究所副研究員Wei Hsian CHI(齊偉先)先生が協働して対面で開催されました。

通常授業のある夏ターム期間中のため使用できる教室が少なく、多数の履修生が参加した本科目では北海道大学札幌キャンパスにある文学部の教室の他に他学部の教室や百年記念会館の大会議室を活用しました。

百年記念会館 大会議室

人文・社会科学総合教育研究棟 W409

学術交流会館 第3会議室

文系共同講義棟(軍艦講堂) 2番教室

▼開講教室▼
7/23(火) 百年記念会館 大会議室
7/24(水)10:30-14:30 人文・社会科学総合教育研究棟 W409
     14:45-18:00 学術交流会館 第3会議室
7/25(木)文系共同講義棟(軍艦講堂) 2番教室
7/26(金)百年記念会館 大会議室

授業はまず初めに招へい講師のCHI先生の自己紹介があり、続いて授業全体の説明の後、講義が始まりました。

(招へい講師のCHI先生)

本科目は、台湾社会の特殊性(specificity)と現代性(modernity)の概観を学ぶため、1.市民社会と公共性(civil society and publicness)、2.文化と宗教(culture and religion)、3.技術と技術社会(technosociety)の主要3テーマを取り上げながら日本の学生との相互交流を通じて、東アジア的な同質性を映し出す台湾社会の 特性を発見することをゴールに設定しました。

(講義スライド)

1回目の授業では、まず最初にスペインやオランダが領有した17世紀半ばから民主化した後の21世紀までの政治的な面と、本格的なインフラ整備が始まった19世紀末以降から現在の発展目覚ましいIT産業とグローバルリンクによる自由貿易の推進という経済的な面の両面について台湾の歴史が紹介されました。続いて、民間信仰や仏教、道教のほかキリスト教など台湾で一般的に信仰されている宗教とその普及の経緯、地域社会との結びつきについて説明がありました。続いて台湾各地で行われる巡礼や宗教的な儀式と行列一座が地方に及ぼす経済効果や地域連帯のほか現代社会における宗教について、さらに人口増加や経済発展など現代化による影響など、様々な事例を先行研究とともに解説しました。その後も全4日間で台湾における仏教、社会学における知識とは何か、技術的発展と健康管理の関係、Institutional Ethnography、医師、環境活動について歴史的側面および哲学的側面から幅広い内容の講義となりました。日本のほか様々なバックグラウンドを持つ学生にとって、自身の文化や宗教、地域社会、政治などと比較しながらそれぞれのテーマについて同じグループの学生や隣の席の学生と議論を行うことは新しい発見や理解を深めることにつながったようです。講義とディスカッションを通して、海外からの履修生も多く参加した本科目では、他大学に在籍する学生とも交流する良い機会となりました。

最終日は、講義で扱ったPopular-religion、Buddhism、Medical、Economic Issue、Environmental Issueなど多様なテーマからグループ毎に1つ決め、グループ内でディスカッションをした内容を発表しました。

(ディスカッションと発表風景)

来夏のHSI2025では、HSI2023で開講し好評を博した「社会変動論:ジェンダー研究/ Social Change: Gender Studies」を前回と同じく香港中文大学のNAKANO Lynne Yukie先生を招へい講師としてお招きし、伍嘉誠准教授(社会学研究室)と協働で「社会変動論:ジェンダー研究2025/ Social Change: Gender Studies 2025」として開講予定です。どうぞお楽しみに!

(CHI先生と履修生@教室として利用した百年記念会館の外にて)