博士後期課程の吉田勉さんが日本中国学会賞を受賞

文学研究科博士後期課程の吉田勉さん(中国文化論研究室)が、2019年度日本中国学会賞(哲学・思想部門)を受賞いたしました。本賞は、中国哲学・文学・語学の分野においてすぐれた業績を挙げた研究者に与えられるものです。

吉田さんの論文「廖平の今古學と『春秋穀梁傳』」(『日本中国学会報』第70集所収)は、清末の学者、廖平(1852~1932)の初期思想を代表する『穀梁古義疏』とそれに前後して著された『今古学考』への考察を通して、廖平が今学として『春秋穀梁伝』を評価した背景を探るとともに、同書の成立・伝承に対する独自の説を整理することにより、いわば廖平の総体的な『穀梁伝』観を実証的に解明したものです。

受賞理由によれば、「『今古学考』と『穀梁古義疏』を中心とした文献資料の検討・分析によって、初変期の「平分今古」という廖平の学説の形成過程を明らかにしたことは、廖平研究の新たな一歩として大きな意味を持つ。加えて、論旨も明快で、行論も理路整然としており、実証的な検討がなされている」との高い評価を受けて、今回の受賞に至りました。

なお、吉田さんは、現在、中国政府奨学金高級進修生として、上海の復旦大学に留学中です。

本件に関するお問い合わせ
? 和順(ゆはず かずより)(中国文化論研究室 教授)
Email: yuhazu@let.hokudai.ac.jp