書香の森企画展示「縫い継がれた記憶進藤冬華シリーズ展」

ポスター

書香の森の企画展示を更新しました。札幌を拠点として活動する進藤冬華氏の作品を、4回にわたりシリーズ展示いたします。

縫い継がれた記憶 進藤冬華シリーズ展
Stitched and inherited memories: Handiworks by Fuyuka Shindo

撮影: 伊藤留美子

北海道大学文学研究院芸術学研究室では、北方教育研究センターの協力を得て、4回にわたる進藤冬華シリーズ展を開催します。

札幌を拠点として活動する進藤冬華氏(1975年-)は、国内外のさまざまな地域に滞在しながらその場の生活や歴史に取材した作品を制作、発表してきました。鋭い着眼点を示しながらどこかユーモアを湛えた彼女の作品は多くの関係者を魅了し、札幌国際芸術祭や黄金町バザールといったアート・イヴェント、2019年の《移住の子》のような大規模な個展でその仕事が紹介されてきました。

進藤はこれまでさまざまなメディアと方法で制作をしてきましたが、本展は、特に布や糸を使った手仕事作品に焦点をあてた初めての展示となります。進藤の多彩な活動のなかで、布や糸を扱った手仕事の作品群は、自身の祖母に裁縫をならうという極めて個人的な活動に由来します。同時に彼女は、サハリン、青森等、北海道の周辺地域でも、おもに年配の女性たちから手仕事の技術を学び、それらのあいだに連続性、共通性をも見出していくのです。

もっとも、日々の生活と結びついていたがゆえに保たれていた、かつての裁縫技術の水準をそのまま受け継ぐことは困難です。進藤は、その困難さ、断絶を隠すことなく、ときに思いもかけない素材やモチーフと技術とを、針と糸を使って組み合わせていきます。「創造的コラボレーション」ともいえる彼女の作品群に提示されているのは、世代間の断絶、そして出会いなのでしょうか。それとも民族間の、技術と芸術との、断絶と邂逅なのでしょうか。—-進藤の作品は、こうした言葉による「区別」では説明できない、人々の暮らしとその歴史の厚みをほのめかしているのかもしれません。

展示の詳細は関連リンクよりご覧ください。

進藤冬華 SHINDO, Fuyuka

1975年 札幌生まれ
2006年 アルスター大学(ベルファスト、北アイルランド)にてファインアートのマスターコース修了。《札幌国際芸術祭2014》、《鮭のウロコを取りながら》(2015年、北海道立北方民族博物館、網走)、《黄金町バザール2015》(横浜)、《対馬アートファンタジア 2016》(半井桃水館、対馬)、《移住の子》(2019年、モエレ沼公園、札幌)、《Parallex Trading》(2019年、das weisse haus、ウィーン)など。

展示会期

  • 第1期: 2021年9月10日(金)〜10月25日(月)
  • 第2期: 2021年10月29日(金)〜11月29日(月)
  • 第3期: 2021年12月3日(金)〜2022年1月17日(月)
  • 第4期: 2022年1月21日(金)〜2月28日(月)

※会期は新型コロナウィルス感染症に伴う状況等により変更があり得ます。

展示会場

  • 文学研究院 玄関ホール横 書香の森展示スペース
主催
  • 文学研究院 芸術学研究室
後援
  • 文学研究院 北方研究教育センター
お問い合わせ
  • 今村 信隆(芸術学研究室)no_imamura@let.hokudai.ac.jp