企画展示大本 靖の作品(夏期冬期)

冬期展示

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展示の更新を行いました。新緑の構内から秋、冬の構内へと、作品の季節も移りゆきます。

展示作品

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冬の北大構内 木版画 19×25.2cm(3号)
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冬のポプラ並木 木版画 18.2×24.2cm(2.5号)
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10月の構内 木版画 25.8×41cm(6号)
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冬の農場 木版画 13cm×17cm(1.5号)

夏期展示

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書香の森の企画展示が更新されました。今回は、文学研究科所蔵の大本 靖の作品です。

展示作品

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白壁の建物 木版画 19×25.2cm(3号)
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初夏の北大農場C 木版画 25.8×41cm(6号)
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早春の北大構内 木版画 18.2×24.2cm(2.5号)
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植物園 木版画 25×33cm(4号)
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旧医学部 木版画 14.5×20cm(2号)

大本 靖(おおもと・やすし)1926−2014

北海道小樽市花園町生まれ。東京義術大学進学を目指して上京するが、大学制度の改正時で学生募集がなく、明治大学商学部に入学し、阿佐ヶ谷美術研究所に通いデッサンを学んだ。

大学卒業後、札幌の兄の印刷会社に入社するが、翌年退社。ほぼ独学で版画を制作し、1954年第22回日本版画協会展に初めて入選するなど、精力的に活動を行う。戦後の一時、札幌に住んでいた20世紀の日本を代表する木版画家のひとりである北岡 文雄(1918~2007)を囲むように、尾崎 志郎、本田 明二らとともに54年、札幌版画協会を設立し、59年にはそれを発展的に解消して北海道版画協会を発足させ、戦後の北海道版画芸術の中核を担い、その発展、普及に大きく貢献する。版画の他にも、グラフィックデザイナーとして雑誌や新聞のカットも手がける。また書籍の見返し部分に貼ってその所有者の印となる「書票(Exlibris)を数多く制作し、92年札幌で開催された第24回世界書票会議で実行委員長を務めた。

その作品は優れた造形感覚によるフォルムの大胆な単純化と、深みのある色彩を特徴としており、ダイナミックでありながら、同時に繊細な印象を鑑賞者に感じさせる。初期の抽象的表現から後期の風景表現に至るまで、北海道の自然からモティーフやテーマを得て制作しており、特に昭和新山や大雪山などに魅了された作品を数多く残し、2007年札幌芸術の森美術館で開催された大規模な回顧展には「山の鼓動、樹々のうた」と副題がつけられていた。2014年、永眠。

北海道大学本部事務局地下の文書保管庫には、代表作のひとつ『蝦夷廿一景』(1972年に日本愛書会から版画限定本として刊行)のなかの《夕日の釧路》が収められており、14年の「美術の北大展」でそれを展示したことが機縁となって、この度、ご遺族の奥様・幸子様より北大を描いた以下の作品16点が文学研究科に寄贈された。期間中、随時、展示替えの予定である。

初夏の北大農場C 木版画 25.8×41cm(6号)
10月の構内 木版画 25.8×41cm(6号)
植物園 木版画 25×33cm(4号)
北の桜B 木版画 25×33cm(4号)
早春の北大構内 木版画 29×29cm(3.5号)
白壁の建物 木版画 19×25.2cm(3号)
冬の北大構内 木版画 19×25.2cm(3号)
早春の北大構内 木版画 18.2×24.2cm(2.5号)
冬のポプラ並木 木版画 18.2×24.2cm(2.5号)
初夏の北大構内 木版画 14.5×20cm(2号)
初夏の北大農場B 木版画 14.5×20cm(2号)
旧医学部 木版画 14.5×20cm(2号)
無題(白堊館) 木版画 14.5×20cm(2号)
無題(北大農場) 木版画 14.5×20cm(2号)
冬の農場 木版画 13cm×17cm(1.5号)
初夏の農場 木版画 10.5×12cm(C号)

作家略歴

1926年 小樽市の酒問屋に生まれる。29年、札幌に移住。
1933年 札幌市立豊水小学校入学。
1939年 札幌高星商業高校入学。
1942年 第1回新北方美術協会展に出品し、入選。
1944年 北海道水産製品元売組合に勤務。11月に入隊するが、翌年10月に復員。
1948年 明治大学商学部に入学する傍ら、阿佐ヶ谷美術研究所に通う。
1951年 卒業後、札幌に戻り、北海道特殊印刷工芸に入社。
1954年 第22回日本版画協会展に初入選。尾崎志郎、本田明二らと札幌版画協会設立。
1959年 札幌版画協会を発展的に解消して北海道版画協会を設立。
日本版画協会会友賞。全道展会員。
1973年 日本版画協会展に《北のかたち〈樹〉》を出品し、会員に推挙される。
1980年 アメリカ、パデュー大学、インディアナ大学、ハノーバー大学で実技講座を担当し、
シカゴなど7都市で個展開催。
1982年 第19回世界書票会議に日本代表として参加するため、イギリスを訪問。
オックスフォード大学近代美術館で実技講座を担当。
1984年 札幌市民芸術賞受賞。
1992年 第24回世界書票会議(札幌開催)実行委員長。
1995年 アメリカ、ボストン市での北海道木版画作家展を企画、出品。
1996年 北海道文化賞受賞。
2002年 地域文化功労者文部大臣表彰を受ける。
2007年 札幌芸術の森美術館にて「大本靖展ー山の鼓動、樹々のうた」開催。
2014年 1月20日 永眠。