36 北大人文学カフェ「見ている世界は本当にそのままか?錯視から考える知覚の不思議 ―」開催されました

2025年12月6日(土)、第36回北大人文学カフェが開催されました。今回は「見ている世界は本当に“そのまま”か? ― 錯視から考える知覚の不思議 ―」と題して、話し手の金子沙永准教授(心理学研究室)に、「錯視」をテーマについてお話しいただきました。お話の後は参加者の皆さんと質疑応答を通して交流しました。当日は、オンラインを含め約160名の方に参加いただき、事後視聴は103回ご覧いただきました。

第1部は、金子先生のトークの時間です。
トークの前半は、錯視研究の紹介です。錯視とはなにか、錯視から何がわかるかを、さまざまな錯視の実例を紹介しながら解説がありました。次々と異なる錯視体験を共有した会場からは、どよめきや思わずもれる声が上がっていました。

錯視モデルを見せながら解説する金子先生

トークの後半は、金子研究室の研究を紹介しました。研究テーマの紹介とともに、これまでにわかった新しい知見や何を目指して研究しているかについて、具体的に実験装置や分析結果を示しながら解説されました。

休憩時間には参加者が、さまざまな錯視・錯覚モデルを体験していました
会場からいただいた質問カード。オンラインでも多くの質問をいただきました。

第2部は、参加者の皆さんからいただいた質問に金子先生が回答していく対話コーナーでした。聞き手の周さん(心理学研究室・博士後期課程)が、いただいた質問を紹介し、それに金子先生が順に回答していきました。

いただいた質問を紹介する周さん(左)と回答する金子先生

錯視の種類の数について、アナログ時計の秒針が止まって見える錯視の仕組み、視覚以外に触覚や嗅覚の錯覚について、錯視に騙されない方法、実験方法と大事なポイント、錯視の個人差、研究の苦労について、人間以外の動物の錯視について、時間間隔と知覚について、錯視の有効活用例、錯視の悪用について、ドレス錯視と脳の老化との関係、など多くの質問をいただきました。すべての質問に回答できず申し訳ありませんでした。

参加された方からは、「お話が素人にでも分かりやすく、しかも面白くて時間があっという間でした」「画像の出典元や参考になるサイトも紹介されており今後の勉強の励みになった」「錯視、錯覚の世界、好きです」「色々な錯視を経験できて面白かった」「『エラー』から『ルール』がわかる、という考え方はもっと広い領域に生きてくる大事なものだと感じた」「錯視を通して知覚、脳の処理エラーを通じて脳の処理のルール、或いは脳のショートカット処理のルールを知ろうとしている事を知れた点が満足」「人文系なのに実験?と思っていましたが、なるほど、感覚を使うものだからこそ出てくるものなのか!と理解できた」「研究内容に関する一般的な話だけでなく、研究のやり方や失敗例などを聞けたのが面白かった」等、多くの感想をいただきました。どうもありがとうございました。