札幌旭丘高校にて読書会を行いました

7月19日(木)、市立札幌旭丘高等学校図書館にて、松嶌 明男准教授が「ナポレオン権力者の恋」と題して読書会を開催しました。この読書会は、文学研究科の広報委員会が文学研究科の教育研究の一部を紹介する目的で、札幌旭丘高校関係者のご協力のもと企画されました。

今回の読書会でとりあげた本は、文学研究科ライブラリの『恋する人間 ―人文学からのアプローチ』です。松嶌先生は「ナポレオン権力者の愛」と題してこの本の第4章を執筆されています。読書会は、ナポレオンが書いた恋文を題材として、ナポレオンのイメージ、当時のフランスの時代背景、現代日本との比較について、ピア・ラーニングのスタイルで進められました。

ピア・ラーニングとは、教員からの問いかけに対し、授業中に生徒が少人数のグループに分かれ、ディスカッションを行ってグループとしての回答を作成し、その回答に基づいて教員と各グループ代表の間で質疑応答を行う双方向の授業方式です。生徒さんは、あらかじめ課題図書を読み、松嶌先生の出した3つの問いについて考えて読書会に参加しました。

読書会の前半はグループ・ディスカッションを行いました。事前学習で出された3つの問いについて、各自意見を出し合い、グループの回答レポートを作成しました。ふだん一緒に学んでいない異学年の生徒が混じるグループ構成でしたが、すぐにうちとけて活発な議論が交わされていました。

後半は松嶌先生が、各グループから出された回答レポートの内容を全員に紹介し、グループの代表と質疑応答をした後、総括を行っていきました。その中で、高校の歴史の学習と大学で行う歴史学研究の違いについて、また、ナポレオンのラブレターという一つの史料から導き出されるさまざまな考察について解説がありました。

いつもの授業とはひと味違ったグループワークの楽しさ、同じ問いであっても視点によって異なる意見が出るおもしろさ、ナポレオンという人物の知らなかった一面を知り、日本とフランスの文化比較にまで話題が及ぶ研究への興味など、生徒さんたちからさまざまな感想をいただきました。

読書会終了後は、広報委員長の川端 康弘教授による進学相談会が開催されました。文学部で学べる研究分野、卒業後の進路など全体説明の後、個別相談にも応じました。