ギャラリートーク「深」動物撮影 関係論 ―写真家 髙橋忠照と出会った動物たち―”開催されました

文学部書香の森で開催されている『「深」動物撮影関係論~写真家・高橋忠照と出会った動物たち』の関連事業として、2022年12月3日(土)に、オンラインでのギャラリートークを実施しました。

このイベントは、本展出品作家の写真家・髙橋忠照氏をゲストにお迎えし、展示の企画・制作にあたった本学学生が聞き手となって、お話をうかがっていくというものです。司会は、本展の企画者である中村香音さん(文化人類学研究室)が担当し、インタビュアーとして、本展の企画チームのメンバーである西希さん(文化人類学研究室)、寺農織苑さん(博物館学研究室)、阿部麟太郎さん(博物館学研究室)、伊藤彩乃さん(地域科学研究室)が登壇しました。参加者はのべ27名でした。

企画チームの文学院生のみなさん。展示企画やイベント実施を通して研究室を越えた交流が生まれています。

髙橋氏の作品には、一見しただけではどのように動物にアプローチしたのかが想像できないほど個体に肉迫したものや、動物の一瞬のまなざしを魅力的にとらえたものが多くあります。その撮影の秘密に迫るべく、トークでは、本展の出品作品を順番に取り上げて、撮影時の情況や工夫をお尋ねしていきました。一点一点の作品の裏話や秘話をお聞きすることは、作品鑑賞を掘り下げるヒントになるだけではなく、動物との出会いについて具体的な事例から考えることにもつながっていきます。議論が進むなかで、次第に、自衛隊の元スナイパーとしての髙橋氏のわざや覚悟や心構え、さらには撮影哲学についても浮き彫りになってきたように思います。途中、髙橋氏の撮影風景をおさめた動画が紹介されたり、来場者からの活発な質問に答えるコーナーがあったりと、充実した2時間でした。

撮影時のエピソードや、その時感じたこと、撮影哲学を説明する髙橋さん

最後に、本展の成立をアドバイザー的な立場から見守ってきた地域科学研究室の立澤史郎先生から野生動物との接触や撮影をめぐる諸問題についてコメントをいただき、芸術学研究室の今村が関係者への謝辞を述べて、閉会しました。最後になりましたが、この場をお借りして、さまざまな質問に快く、粘り強く答えてくださった髙橋忠照氏をはじめ、本イベントへの参加者の皆様、ご関係の皆様に感謝を申し上げます。

保全生態学者の立場からコメントする立澤先生

報告者:書香の森企画ワーキンググループ 今村信隆(文学研究院芸術学研究室准教授)