書香の森の企画展示を更新しました。この展示は2022年度後期のミュージアム・スタディーズ演習「ミュージアム資料の動物誌2022」(担当教員: 久井貴世准教授)にて制作したヒグマに関する展示を素案として、コンセプトの見直しと改良・編集をおこない、文学院・文学部および理学部学生が協力して制作したものです。
ヒグマのとなり ←つかず、はなれず→
ごあいさつ
皆さんがヒグマと聞いて思い浮かべるものは何でしょうか?今まさに各地で相次いでいる遭遇事故?数年前に札幌市東区に出没したあのヒグマ?開拓時代に起きた惨劇?ヒグマが関係する事故についての報道に接する機会が増えたこともあり、漠然と「怖い」「恐ろしい」といったイメージを持っている人も多いことでしょう。
当初は展示制作グループの私たちも、ヒグマの「怖さ」を前面に打ち出した展示を企画していました。しかし、札幌市のヒグマ対策に関わっている専門家の方々にお話を伺う中で、ヒグマに対する私たちの考え方は大きく変わりました。「個性」や「歴史」といったキーワードをもとにすれば、ヒグマと人間の関係性をより幅広い視座から捉えることができると気づかされたのです。そして、この気づきをぜひ皆さんと共有したいと思って作り上げたのが、今回の展示です。
私たちはこの展示を、ヒグマと人間の「共存」について皆さんと一緒に考えていくきっかけにしたいと思っています。私たちがヒグマのとなりで、「つかず、はなれず」の適度な距離感を保ちながら、ヒグマとともに生きていくにはどうしたらよいのでしょうか。「共存」についての考えを深めていくための手がかりを、今回の展示の中から見つけ、持ち帰ってみませんか。
最後になりましたが、本展時の企画に多大なご協力をいただきました特定非営利活動法人EnVision環境保全事務所の皆さま、札幌市広報課、北海道新聞社、文学研究院をはじめとする北海道大学の教職員及び学生の皆さまに、心から御礼申し上げます。
2023年5月26日
北海道大学大学院文学研究院
展示会期
- 2023年5月26日(金)〜2023年8月6日(日)
一般の方は、平日午前9時〜午後5時の時間帯にご来場ください
展示会場
- 文学研究院 玄関ホール横 書香の森展示スペース
企画等
- 主催:北海道大学大学院文学研究院
- 企画:書香の森「ヒグマのとなり」制作グループ
石本万象、池田圭吾、上田輝、青山希望(博物館学研究室)
塩野入希実(地域科学研究室)
杉浦寛大、菅遙斗(理学部進化古生物学研究室) - 印刷デザイン:青山希望
- 監修:久井貴世(博物館学研究室)
- 協力:
特定非営利活動法人 EnVision環境保全事務所
書香の森展示ワーキンググループ
谷本 晃久(日本史学研究室)、橋本 雄一(地域科学研究室)
佐々木 亨(博物館学研究室)、今村 信隆(芸術学研究室)
展示作業協力
寺農織苑、阿部麟太郎、朱麗梅、梅木佳代(博物館学研究室)
お問い合わせ
- 今村 信隆(芸術学研究室)no_imamura@let.hokudai.ac.jp