映像現代文化論講演会「日本の映画理論をなぜ読むべきなのか」開催のお知らせ

映像・現代文化論講演会

  • 日時 2019年6月11日(火)5校時 16:30〜18:00
  • 会場 北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟 W409会議室
    ※来聴歓迎・事前申込不要・聴講無料(日本語による講演)

ポスター

日本の映画理論をなぜ読むべきなのか
アメリカ・イェール大学教授 アーロン・ジェロー

司会・講師紹介 小川佐和子(映像・現代文化論研究室 准教授)

概要

これまでの映画理論の歴史本・理論集は圧倒的に西洋中心である。海外で発行されている書物に限らず、日本国内の書物においてでさえ、日本人名を目にする事はほとんどない。それはなぜだろうか。優れている映画理論が戦前からも日本において多く発表されていたことは事実である。戸坂潤、谷崎潤一郎、中井正一、寺田寅彦、尾崎翠、長江道太郎、杉山平一、鶴見俊輔、花田清輝、松本俊夫、蓮實重彦といった各界の錚々たる面々は、世界にも通じる映画に対する考察を行った。残念ながら、それは現在にいたるまであまり映画理論史の研究対象となってこなかった状況を、「理論のコンプレックス」と名付けてもいいかもしれない。本発表は、日本の映画理論の再発見によって、多くの日本映画の思想的な背景を理解することができるだけではなく、そのコンプレックスの原因にもなっている歴史的な根底、またはグローバルな近代における「理論化」の意味に対する批評的な再検討を追求する機会となるだろう。

アーロン・ジェロー教授(Aaron Gerow)

コロンビア大学で学び、アイオワ大学でPh.Dを取得。横浜国立大学准教授を経て、現在イェール大学映画・メディア学プログラムおよび東アジア言語・文学科教授。専門は日本映画史、日本のポピュラー・カルチャー、テレビ等。
単著:Kitano Takeshi (2007), A Page of Madness: Cinema and Modernity in 1920s Japan (2008), Visions of Japanese Modernity: Articulations of Cinema, Nation, and Spectatorship, 1895-1925 (2010). 
共著:『日本戦前映画論集―映画理論の再発見―』(2018、ゆまに書房)『日本映画研究へのガイドブック』(2016、同)など多数。

主催・事務局・お問い合わせ
  • 主催 北海道大学映像・現代文化論学会
  • 事務局 文学研究院 映像・現代文化論研究室
  • 連絡先 研究室主任・中村三春 Email: miharu*let.hokudai.ac.jp(*を@に変えてください)