〈Hokkaidoサマーインスティテュート2018〉 Principles of Invasion Ecology/ 侵入生態学原論が開催されました

6月18日~22日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2018 / 北海道サマーインスティテュート 2018開講科目のひとつ、Principles of Invasion Ecology/ 侵入生態学原論が開催されました。

この科目は、近年、在来種の減少や人間への健康被害等、生態系や人間社会への影響が問題となっている侵略的外来種について、その侵入状況と被害のみならずその原因及び対策への理解を深めることを目的として、昨年度に続き、学部生向けに開講されました。メイン講師には、外来種問題の先進国であるニュージーランドからアル・グレン先生をお招きし、講義と演習を織り交ぜながら授業を行っていただきました。

海外招へい講師のアル・グレン先生(ランドケアリサーチ研究所・ニュージーランド)

授業では、まずグレン先生が毎時間、詳細なスライドを用いて講義しました。また、必要に応じて本科目の責任教員である文学研究科の池田 透先生(地域システム科学講座)が日本の事例等を補足説明しました。各講義項目の終わりには、その内容についてのテストを実施し、講義内容の理解を確認できる機会が設けられました。

池田先生による補足説明
質問する受講生

講義の内容は、侵略的外来種とは何かから始まり、その特徴や侵入のプロセス及び影響、地域性や相互作用、外来種を含む新たな生態系管理概念やリスク評価まで、侵入生態学を体系的、包括的に理解できるよう設計されており、入門でありながらも豊富な知識を学ぶことが出来ました。

また最終日には、侵略的外来植物の危険度評価システムについてのグループワークが行われました。受講生たちは、2~3人のグループに分かれ、グループごとに与えられた課題を同じ評価指標を使って検討していきます。最後は、グループごとの結果を発表し、課題ごとの評価結果を確認し合いました。

グループワークの様子
グループワークの様子 先生たちからアドバイスをもらいます

アンケートでの受講生の満足度は高く、特に、充実した講義と受講生の質問やコメントに対する講師の丁寧な対応に高い評価が見られました。

最先端の対策現場にも携わる世界の第一線の研究者の講義を聞き、それについて自分たちで手を動かしディスカッションしながら考える、このサマーインスティテュート科目は、来年度も引き続きグレン先生をお招きして、開講される予定です。