3月18日(水)に、文学研究院・研究推進委員会主催の若手研究者支援セミナー「学術振興会特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」をZoomで開催しました。本セミナーは、実践的な申請書の書き方をテーマに同年5月の申請(今回は2027年度採用分)に向けて準備をしている大学院生を対象に、2016年度から毎年2~3月ころに開催しています。コロナ禍に対面開催からオンライン開催へ開催形式を変更して以来、参加者の利便性を考慮してオンラインでの開催を続けています。
セミナーは第1部と第2部の二部構成です。第1部では教員による話題提供を通して学振特別研究員に申請する意義と申請書を書く際に意識するポイントを改めて確認し、続く第2部では相談員と話す中で構想段階のアイデアや実際に書き始めている申請書の内容をブラッシュアップします。当日は、第1部に他学部からの参加者も含めた37名、第2部には文学院生13名が参加しました。

セミナー第1部では毎年、人文学専攻と人間科学専攻の教員が交互で話題提供を行っており、今年は人文学専攻の宮園健吾先生(哲学倫理学研究室・准教授)に「良い学振申請書の特徴について」というタイトルでお話しいただきました。

冒頭では、まず自身の学振特別研究員および科研費の申請歴を紹介。タイトルにもある「良い申請書」とは?という問いに、“当たり前のことが徹底されている申請書”であること、と述べました。次に、では具体的に“当たり前のこと”とは?という問いには、【読みやすい】や【正しく、自然な日本語で書かれている】など、日頃から地道に研鑽を積むことで身につける研究者として大切な能力について解説しました。さらに「学生へのコメントTop10」として、学振特別研究員の申請書だけではなく、アカデミアに進む人も、アカデミア以外のキャリアを選ぶ人も、今後、様々な場面で必要となる理論や概念について1つ1つ丁寧に説明しました。最後に、令和9(2027)年度採用分から新しく登場した【総合知】について触れ、人文社会科学系分野では諦めがちな「異分野融合」や「学際研究」、「社会実装」に関してはCHAIN(文理融合型の学際的研究と大学院レベルでの教育を展開する人間知・脳・AI研究教育センター)など北大生として恵まれた環境をうまく利用してほしい、とアドバイスしました。
第2部は、話題提供の宮園先生のほか、行動科学研究室、地域科学研究室、博物館学研究室、日本史学研究室から4名の教員と東洋史学研究室、哲学倫理学研究室、行動科学研究室から3名のPD・DC採択者にご協力いただき、計8名の相談員が申請書の作成について具体的なアドバイスをする個別相談会を行いました。自身も学振DCや学振PDに採択されたことがあり、かつ申請書の指導経験もある先生方に加えて現役の学振特別研究員が相談員となり、Breakout roomで申請書の草案や研究計画のアイデア、昨年度不採択になった申請書を画面共有しながらオンラインで個別相談に応じました。分野的にも、普段なかなか話す機会のない相談員と研究について話すことで、思ってもみなかった角度からの多面的なアプローチや異なる専門分野の人にも分かりやすく研究内容を言語化することで「審査員が読みやすい文章」について改めて考える、よい機会になったようです。

セミナーに関するアンケートの回答には、話題提供者の宮園先生へ、「貴重なお話をありがとうございました。非常に参考になりました。」などのメッセージをいただきました。また、個別相談会の参加者からは「親身に相談に乗っていただけて大変ありがたかったです。」、「自分では気がつかなかった視点に気がつくことができ、とても有意義でした。」などのコメントをいただきました。その他、セミナーに関するご意見で、「録画でも視聴ができれば嬉しいです。」という要望がありましたので事後視聴など今後の可能性について検討したいと思います。
研究推進委員会では、文学部・文学院・文学研究院に所属する若手研究者を対象に、申請書の閲覧サービスを行っています。これまでに学振特別研究員DC・PD・RPDや海外特別研究員、外国人特別研究員に採用された文学院/文学研究科の方々の申請書を、研究推進室にて自由に閲覧することができます。閲覧希望の方は、まずは閲覧希望日時を研究推進室までメールでご連絡ください。
本セミナーは申請書を書き始めている段階の申請者向けに開催していますが、来年以降に申請を予定している方向けのセミナーとして今年の冬に「申請書の書き方セミナー」の開催を予定しています。現在、研究生や学部生の方で学振特別研究員制度について知りたい方は、ぜひこちらのセミナーにご参加ください。開催情報は例年11月以降に公式サイトやSNSの文学公式アカウントで周知しますので、チェックしてみてください。皆さまのご参加をお待ちしております。
