平成28年度公開講座「悩める人間人文学で四苦八苦(シック ハック)」

20160314四苦八苦完成CS5アウトライン

北海道大学大学院文学研究科・文学部
平成28年度公開講座

悩める人間― 人文学で四苦八苦(シック ハック) ―

開講時期:平成28年5月18日(水)~平成28年7月20日(水)(毎週水曜日)

開講時間:午後6時30分~8時00分

実施会場:北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)W103室

受講対象:満18歳以上の方(定員80人 )

受講料5,000 円

修了証書:7回以上受講した方には修了証書をお渡しします。

申込期間:平成28年4月13日(水)~平成28年5月6日(金)
午前9時〜午後5時(土・日・祝日を除く)

申込先:北海道大学大学院文学研究科・文学部庶務担当
〒060-0810 札幌市北区北10条西7丁目
TEL: 011-706-3003・3060
FAX: 011-706-4803
Email: wwwadmin@let.hokudai.ac.jp
(件名に「公開講座申込み」とご記入願います。)

申込手続:事前に電話(FAX又はEメール)でお申し込みください。
お申込みがございましたら受講申込書と振込用紙を郵送しますので、郵便局または銀行等の「窓口」で受講料をお支払いのうえ、受付証明書(E票)を受講申込書に貼り付け、持参または郵送により上記申込先あて提出願います。

その他

  1. お支払いが確認できましたら、講義内容の要旨をお送りします。
  2. 納入した受講料はお返しできませんので、ご了承願います。
  3. 会場には、受講者のための駐車場がありませんので、公共の交通機関をご利用願います。
  4. 本講座で得られた個人情報については、本学の行事等の案内以外には利用しません。
  5. 本講座は道民カレッジ連携講座(教養コース15単位)に指定されます。
  6. ご不明な点については、北海道大学文学研究科・文学部庶務担当あてお問い合わせください。

講座のテーマ

悩める人間― 人文学で四苦八苦(シック ハック)―

講座の趣旨

浜の真砂は護岸工事で尽きるとも、世に悩みの種は尽きないものです。愛別離苦は世の習いと申しますが、進学、就職、恋愛、結婚、人間関係、老後の備え、思案に余ることばかり。懊悩(おうのう)、煩悶(はんもん)、困窮、貧苦、往生、閉口、血を吐く思い、と《悩み》の類語は事欠かない始末。人はどうして悩むのか――一挙解消の妙薬は処方できませんが、古今東西の文学や思想、歴史、社会科学の最新知見から、《悩める人間》というテーマにせまります。

北海道大学文学部では、思想、宗教、文学、語学、歴史などの文献・資料をあつかう分野はもとより、心理学、行動科学、地理学、社会学などの実験やフィールド・ワークをともなう分野まで、広く深く人文学の研究をおこなっています。今回の講座でも《悩める人間》を共通の素材として、多岐にわたる学問の諸相に触れていただきます。

たとえば、宗教学の分野からは諸宗教における悩みの様々な取り上げられ方、芸術学の分野からはアーティストたちの作品制作にまつわる苦難、歴史の分野からは、昇進を渇望する平安文人官僚の嘆き、近代日本の知識人による世界認識とその変革にまつわる苦悩、中国思想の分野からは是か非か悩む荘子の思索、文学の分野からは、ハックルベリーフィンの冒険で有名なマーク・トウェインの作品執筆に関わる悩み、竹取翁物語の翁の苦悩と絶望、認知心理学の分野からは思考抑制(あることを考えないようにすること)に関する話題をとりあげます。加えて、教育上の視点から、現在の学生が直面する具体的な悩みについてもお話しします。これらの講義ではさまざまな学問領域の話題をとりあげますので、質問や疑問がでてくるでしょう。そのため、10回目(最終回)の講義では、受講生の皆さんの質問に講師陣ができるかぎりお答えする予定です。

本公開講座を通じて、人間の悩みに関する深い知識と理解がえられ、私達の人生をより豊かなものにする手がかりとなればこれに勝る喜びはありません。新緑の北大キャンパスで悩み(シック)に切り込んで(ハック)いきましょう。

講義日程・講義題目・講師一覧

  • 第1回 5月18日(水)
    僥倖が齎した苦悩と絶望―竹取の翁の人生を考える―
    大学院文学研究科 教授 後藤 康文
  • 第2回 5月25日(水)
    悩む力 ―学生相談に見る若者の悩み―
    大学院文学研究科 教授 櫻井 義秀
  • 第3回 6月1日(水)
    戦前における新しい社会原理の模索
    大学院文学研究科 教授 権 錫永
  • 第4回 6月8日(水)
    作家(アーティスト)はつらいよ―お金と才能なかりせば―
    大学院文学研究科 教授 北村 清彦
  • 第5回 6月15日(水)
    是か非か、悩んだ果てに―荘子の悩み―
    大学院文学研究科 教授 近藤 浩之
  • 第6回 6月22日(水)
    宗教はいかにして悩みに向き合ってきたのか
    大学院文学研究科 准教授 宮嶋 俊一
  • 第7回 6月29日(水)
    思考抑制―忘れようとすると逆効果ー
    大学院文学研究科 特任准教授 河原 純一郎
  • 第8回 7月6日(水)
    平安文人官僚の切なる昇進の願い
    大学院文学研究科 准教授 小倉 真紀子
  • 第9回 7月13日(水)
    書くべきか、書かざるべきか―マーク・トウェインの悩み―
    大学院文学研究科 教授 竹内 康浩
  • 第10回 7月20日(水)
    質疑応答
    上記講師全員