内容紹介
本書は、九州大学附属図書館濱文庫に所蔵される中国演劇の戯単(芝居番付)186枚について、図版と解説を掲載した図録です。さらに戯票(チケット)43点、映画説明書5点も収録しました。濱文庫は、濱一衛(1909~84)・元九州大学教授が、1934年6月から36年6月にかけての北平(現在の北京)留学で収集した資料を中核とする、中国演劇資料の宝庫です。往年の名優による名舞台の数々を、ぜひ戯単で味わってみてください。
著者からのコメント
20世紀前半の中国演劇は、実は日本人の手によって、劇評や解説、スケッチなど、さまざまな記録に書き残されています。1930年代の舞台について、貴重な記録を残された研究者のお一人が、濱一衛・元九州大学教授です。
長年、「中国演劇資料の宝庫」として国内外の研究者の注目を集めていた九州大学附属図書館濱文庫の戯単(芝居番付)コレクションを、5年間の共同研究を経て、このたび整理することができました。名優の舞台を実際に見た濱一衛先生の劇評とともに、中華民国初期の芝居見物の雰囲気を、紙面で体験していただければと存じます。
濱一衛著訳、中里見敬整理『濱一衛著訳集 中国の戯劇・京劇選』(花書院、2011)など、関連書籍をあわせて読むと、濱先生のわかりやすい観劇指南により、中国演劇への理解がいっそう深まります。
外部リンク
〔出版社〕花書院の紹介ページ