内容紹介
本書は、古今東西の資料を博捜して祈りを類型化したドイツ宗教学初期の古典的作品であり、預言者的・神秘主義的という宗教の2類型を提示したことでも知られる。宗教現象学の代表的著作である本書は世界各国語に翻訳され、祈りに関する研究で本書に言及しないものはないと言ってもよい。1918年の初版刊行から100年を迎えてなされた本邦訳によって、その全体像が明らかとなる。
著者からのコメント
学部生時代からかれこれ30年近く本書と関わってきましたが、訳書出版によって、ようやく一区切りつきました。20代の終わり、ハイラーが長年活動していたマールブルク大学に留学し、彼の直接の知人たちと交流しながら、翻訳を進めました。帰国後も作業は続けましたが、徐々に多忙となってしまったため、監修者・共訳者の方のお力を借りて、ようやく形にすることができました。原著の初版刊行からちょうど100年が経っておりますので、今日の学問状況からすれば時代遅れになってしまっているところもありますが、読む度に何らかの発見があるのは古典の古典たる所以でしょう。本書は、祈りの研究書であると同時に、祈りのハンドブックでもあるので、気が向いたときにパラパラと頁をめくって、自分の好きな祈りの言葉を探してみる、そんな読み方もできると思います。
外部リンク
〔出版社〕国書刊行会の紹介ページ
〔訳者3名による鼎談〕宗教情報センターの紹介ページ