内容紹介
19世紀フランスの哲学者、フェリックス・ラヴェッソンが、1867年のパリ万博(ちなみに日本が初めて参加した万博です)を機会に、当時のフランスの哲学の現状をまとめたものです。狭義の哲学のみならず、社会思想、美学、さらには当時の生理学の状況なども扱っており、19世紀フランスに関心を持つ人には、必ずや何らかの形で役に立つ書籍です。
著者からのコメント
19世紀フランスの哲学者、フェリックス・ラヴェッソンが、1867年のパリ万博(ちなみに日本が初めて参加した万博です)を機会に、当時のフランスの哲学の現状をまとめたものです。もっとも、客観的な報告とは言い難く、当時のフランス思潮をすべて、何らかの形で、ラヴェッソンが称揚する「スピリチュアリスム」に向かうもの、として描きだす、見方によっては大変「強引な」書物とも言えます。しかし、この書物は大きな影響を与えることとなり、フランスで哲学を学ぶ学生にとり、必読書となりました。ラヴェッソンの思考のスタイルや、哲学史の見方は、その後のフランス哲学を大きく規定した、と言っても過言ではありません。
この書物は、19世紀以降のフランス哲学の展開や方向性を知る上で必読書と言えます。また、当時の学問全体の方向性を知るという上でも極めて有益な書物と言えるでしょう。また、上で述べた、ラヴェッソンの「バイアス」を念頭に入れつつ読むのであれば、相当の情報を与えてくれる書物でもあります。
外部リンク
〔出版社〕知泉書館の紹介ページ