田中 佑実

プロフィール

田中 佑実 助教 / TANAKA Yumi
研究内容

フィンランドの北カレリア地方やラップランドの複数の地域をフィールドに、自然と文化、樹木と人間の精神的・物質的結びつきを風習や語り、ものづくりを中心に調査を重ねています。また、美術史の視点からフィンランドのナショナル・ロマンティシズム期における「自然」の描かれ方や工芸についても研究をしています。

研究分野
人類学、樹木と人、芸術、北欧先住民研究
キーワード
フィンランド、樹木、自然と文化、芸術、サーミ
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/文化多様性論分野/文化人類学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/文化多様性論講座/文化人類学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/歴史学・人類学コース/文化人類学研究室
連絡先

Email: yumit*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
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メッセージ

人類学は懐の広い学問です。そこに人がいれば、研究がスタートするといっても過言ではないでしょう。人類学は私たちのまわりの環境や世界各地の人々の様々な営みに目をむける、とても身近な学問でもあるのです。人類学の研究手法は仮説を立てて、物事を証明していくというよりも、現場に入り、内側の視点から理解するフィールドワークが中心です。人類学者自身、自ら経験しながら現場の視点に近づき、学んでいきます。私もこれまでフィンランドの北カレリア地方やラップランドのサーミコミュニティーでフィールドワークを重ねてきました。

人類学において重要なことは、あたり前を問い直すという姿勢です。過去のあたり前が問い直されて私たちが生きる今があります。今のあたり前はまた問い直されて、未来のあたり前になるはずです。人類学のほぼ全ての研究は「他者」を理解しようとし、「自分」を理解しようとすること、未来の私たちがどのように生きるのかを考えることに通じています。人類学は世界がひとつの見方に留まらないこと、人が生きるあり方はひとつではないこと、世界を見るための多様な視点を提供することに貢献していると私は考えています。

北海道大学の文化人類学研究室には、各方面で自ら現場に身を浸しつつ研究をしているユニークな先生方が所属しています。学生の皆さんには、研究の条件としてフィールドワークを求めています。現場を内側から理解してみたい、異なる視点で世界を捉えてみたいという方はぜひ、文化人類学研究室にいらしてください。

研究活動

略歴

佐賀大学文化教育学部卒業後、同大学地域デザイン研究科修士課程修了、北海道大学文学研究科博士課程修了後、現職。

主要業績

  • 田中佑実 2023『死者のカルシッコ フィンランドの樹木と人の人類学』北海道大学出版会
  • 田中佑実 2023「1900年パリ万博のリュイユラグにみるフィンランドの選択―芸術家アクセリ・ガッレン=カッレラに着目して」『インターカルチュラル』21 : 176-191.
  • 田中佑実 2022「フィンランドの死者のカルシッコ―風習の形成、変化、現在―」『北方人文研究』 15 : 43-61.
  • 田中佑実 2020「立ち枯れの木が語るナショナル・アイデンティティ:フィンランドのナショナル・ロマンティシズムにおける風景画」『インターカルチュラル』 18 : 102-116.