田辺 弘子

プロフィール

田辺 弘子 准教授 / TANABE Hiroko
研究内容

私たちの身体の動きや振る舞いには様々な心理的状態が潜んでいます。歩行などの日常動作からスポーツ、ダンス等の身体表現、楽器演奏まで、様々な身体運動を対象として、身体の動きと心(運動制御、魅力、美、運動学習など)の関連について研究しています。

研究分野
認知行動科学(運動制御、身体表現、スポーツ心理)
キーワード
芸術的身体運動の美、自己表現、所作の魅力、運動学習
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人間科学部門/心理学分野/心理学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人間科学専攻/心理学講座/心理学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/人間科学コース/心理学研究室
連絡先

研究室: E棟410
Email: h.tanabe*let.hokudai.ac.jp 
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
心理学研究室田辺 弘子 准教授

人は環境をどう知覚し、
どう行動・運動するのか

就職活動やスポーツ大会、ステージ発表などの“晴れの舞台”ではひときわ重要視される姿勢やふるまい。置かれた環境の中でどのようにふるまうかは、誰もが頭を悩ませるところです。私の研究は日常における様々な場面でのふるまいのパターンを抽出・分析し、それらが環境や他者との関わりにどう関連しているのかを明らかにするパラメータを導き出そうとしています。

従来は個人の主観に左右されがちだった評価の領域に現代の機械学習を活用した新たな基準を構築することで、心と身体のメカニズムに迫ります。同時に多様性を認めあう現代社会の中で自己実現に悩む皆さんに「なりたい自分」や「表現したい自分」に近づくためのヒントを差し出すことができたらと思っています。

歩容(歩きぶり)の印象評価に関する研究も行う。ファッションモデルや一般人のモーションキャプチャデータを取得し、印象評価実験と組み合わせることで、歩容から歩行の魅力度を推定するモデルを構築した。

困りごとから始まるテーマこそ
研究意欲も途切れずキープ

大学で何を研究テーマにするか、その糸口は「困った」の中にあります。自分に身近な困りごとや「これを改善したい」と思う話題こそ、モチベーションが持続する取り組みがいのある研究テーマになってくれます。私も趣味のクラシックバレエにおいて、どのような動きが「美しい」と評価されるのかという疑問が、現在の心と身体をめぐる研究の入り口になりました。

北海道大学の心理学研究は対象領域が実に幅広く、さまざまな切り口からのアプローチを受け止めてくれる土壌があります。北海道大学社会科学実験研究センターとの連携や研究室同士の交流も活発で、北大ならではの開放的な研究環境が大きな成長を後押ししてくれます。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

私たちの身体の動きや振る舞いの背後には、様々な心理的過程が潜んでいます。例えば、ある人の所作に魅力を感じたり、緊張して歩き方や身振り手振りがぎこちなくなったり、アスリートやアーティストの華麗な身のこなしや立ち回りだったり、など、私たちの日常生活において身体の動きと心は密につながっています。

当研究室では、身体運動を計測することにより、身体運動のダイナミクスとその背後にある心理的現象(魅力、印象、巧みさ、運動学習、芸術性など)の関係性を明らかにする研究を行っています。現在稼働しているプロジェクトは「身体運動の芸術性の定量化のためのフレームワークの開発(ソウル大学との共同研究)」「自己ブランディングと振る舞いの関係性」「運動学習アプリ開発のためのスキル評価・学習支援モデルの開発」です。これらのテーマに限らず、身体の動きと心の関係性について研究してみたい方にお越しいただけると嬉しいです。

研究活動

略歴

京都大学総合人間学部卒業、同大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。東京大学助教、青山学院大学助教、名古屋大学特任助教を経て、2024年より現職。

主要業績

  • Tanabe H, Fujii K, Suzuki Y, & Kouzaki, M. (2016). Effect of intermittent feedback control on robustness of human-like postural control system. Scientific Reports, 6, 22446.
  • Tanabe H, Fujii K, & Kouzaki M. (2017). Intermittent muscle activity in the feedback loop of postural control system during natural quiet standing. Scientific Reports, 7, 10631.
  • Tanabe H, et al. (2022). Effects of a robot human-machine interface on emergency steering control and prefrontal cortex activation in automatic driving. In: Harris, D., Li, WC. (eds) Engineering Psychology and Cognitive Ergonomics. HCII 2022, 108-123.
  • Tanabe H, Fujii K, Kaneko N, Yokoyama H, & Nakazawa K. (2023). Biomechanical strategies to maximize gait attractiveness among women. Frontiers in Sports and Active Living, 5, 1091470.
  • Tanabe H, & Yamamoto K. (2023). Structural equation modeling of female gait attractiveness using gait kinematics. Scientific Reports, 13, 17823.

所属学会

  • 日本スポーツ心理学会
  • 日本認知心理学会
  • 情報処理学会
  • 日本感性工学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 心理学演習

授業担当(文学院)

  • 心理学特殊講義
  • 行動理論特別演習