プロフィール
- 研究内容
宗教に関するものの見方、考え方、行動の仕方といったものが、その人の幸福感を左右する社会的なメカニズムについて研究しています。質問紙調査(アンケート調査)を用いて人々の意識や行動を測定したり、その結果を比較分析に用いる方法論に関心があります。
- 研究分野
- 宗教社会学、主観的ウェルビーイング研究、価値意識の研究
- キーワード
- 宗教意識、主観的ウェルビーイング、価値意識、質問紙調査法、国際比較
- 文学研究院 所属部門/分野/研究室
- 人間科学部門/社会学分野/社会学研究室
- 文学院 担当専攻/講座/研究室
- 人間科学専攻/社会学講座/社会学研究室
- 文学部 担当コース/研究室
- 人文科学科/人間科学コース/社会学研究室
- 連絡先
研究室: 202
Email: kokishimizu*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。- 関連リンク
メッセージ
近年、いわゆるAIを用いた「データ・サイエンティスト」の必要性が声高に唱えられるようになってきました。データ分析は物事を客観的に説明・予測するための道具として非常に重要であり、その存在は統計的手法やソフトウェアの発達によって益々身近なものになってきています。社会科学的な研究においても、データが議論の説得力を高める強力なツールであることは言うまでもありません。近年では様々な領域で多種多様な社会調査が実施され、その結果が公表されています。しかし、数字で示されるものがすべて客観的で正しいなどと思ってはいけません。不適切なデータのハンドリングは、誤った現実の解釈を招いてしまったり、時には不当な差別の根拠として用いられてしまうことさえあります。
社会調査から得られるデータの適切な読み解き方というのは、単に統計学的手法の知識の問題に留まりません。社会調査の方法にはどのような種類があり、それぞれが具体的にどのような手続きで実施され、それに応じてどのようなデータの扱いに関する制約が生じ、どうすればそうした問題をある程度クリアできるか、といった視点が必要不可欠です。これは学問的な話題に限らず、日々ニュースや雑誌等で目にする世論調査やマーケティング関連の調査結果についても同様のことが言えるでしょう。
社会学研究室では学士課程で「社会調査士」、修士課程では「専門社会調査士」の資格取得が可能なカリキュラムが整備されており、質的・量的な社会調査やデータ分析を専門とする先生方が名を連ねられています。私自身については、文学部・文学研究院では助教は指導教員になれないのですが、調査設計や分析についての相談に乗ったりしています。社会調査の技法を知り、データを通して社会を見る、という方法を学んでみたい人はぜひ研究室のドアを叩いてみてください。
研究活動
略歴
青山学院大学総合文化政策学部卒、同大学大学院総合文化政策学研究科修士課程修了、北海道大学大学院文学研究科博士課程修了後、2021年に現職に着任。
主要業績
論文
- 「日本人の宗教意識に関する計量的研究―NHK『日本人の意識調査』データを用いたコウホート分析―」 『次世代人文社会研究』第13号、韓日次世代學術FORUM 、139-159、2017年。
- 「宗教団体への所属が幸福感に及ぼす影響―『宗教と主観的ウェルビーイング』に関する調査デーやの分析から」『現代社会学研究』第33巻、1-22、2020年。
- “Is the “Japanese Dream” Changing? Analysis of NHK’s Survey of Japanese Value (1973-2008)”『21世紀東アジア社会学』第10号、40-57、2020年。伍嘉誠准教授との共同執筆。
分担執筆
- 「幸福感に関する調査とデータ」櫻井義秀編『しあわせの宗教学』法蔵館、2017年。
- 「日本の宗教とウェルビーイング」櫻井義秀編『宗教とウェルビーイング-しあわせの宗教社会学』北海道大学出版会、2019年。櫻井義秀教授との分担共同執筆。
- 若者の人生評価 ―幸福と呼ばれる理想の適応」吉川徹・狭間諒多朗編『分断社会と若者の今』大阪大学出版会、2019年。ホメリヒ・カローラ教授との分担共同執筆。
翻訳
- スタンリー・ハワーワス著「廃墟をあとにして ―福音と文化形成―」スタンリー・ハワーワス著、東方敬信監訳(共訳:塩谷直也、大森秀子、清水正、山室吉孝、高砂民宣、東方和子、清水香基、西谷幸介) 『大学のあり方 ―諸学の知と神の知―(青山学院大学総合研究所叢書)』ヨベル社、 2014年。分担翻訳。
- ウォルフガング・ヤゴチンスキー著、清水香基、櫻井義秀訳「宗教的な人々はより幸福か? ―ヨーロッパ社会調査からの知見」櫻井義秀編『宗教とウェルビーイング-しあわせの宗教社会学』北海道大学出版会、2019年。櫻井義秀教授との分担共同翻訳。
所属学会
- 日本社会学会
- 「宗教と社会」学会
- 北海道社会学会
- International Society for the Sociology of Religion (ISSR)
- East Asian Society for the Scientific Study of Religion (EASSSR)
教育活動
授業担当(文学部)
- 社会調査法実習
授業担当(全学教育)
- 社会の認識
おすすめの本
- 『創造の方法学』高根正昭、講談社現代新書
社会科学的な研究の方法についての解説書、と言っていいかもしれません。ただ、いわゆるハウツー的な解説書ではなく、著者のエッセイや研究の実例を交えながら、あたかも著者の学びを追体験するかのように読むことができるので、興味のある人はぜひ手に取ってみてください。