プロフィール
- 研究内容
東欧諸国の経済政策および福祉政策について、政党政治を軸に地域内、および地域間の比較を行う。
- 研究分野
- 中東欧比較政治、政治経済学、福祉政治
- キーワード
- 東欧、比較方法論、福祉、経済、政党
- 文学院 担当専攻/講座/研究室
- 人文学専攻/スラブ・ユーラシア学講座/スラブ・ユーラシア学研究室
- 連絡先
Email: m-sengoku*slav.hokudai.ac.jp
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Lab.letters
福祉と経済を軸に
新興民主主義国の独自性を探る
1974年に独裁体制が崩壊したポルトガルから始まった民主主義の「第三の波」は世界を席巻し、東欧諸国など多数の新興民主主義国が誕生しました。一口に新興民主主義国といっても、各国における経済と福祉の政策は実に多様です。金融やサービス業が経済の中心を占める国では、子育てや介護は各世帯に委ねられ、家族が担うかあるいは市場サービスを頼みとすることが多いですが、バルト諸国の一部では女性の就労を促す制度が構築されています。他方で製造業が経済である程度の比重を占めている国では「男性労働者」の権利は厚く保護され、子育てや介護は家庭への支援が中心となっています。ただしスロヴェニアのように、製造業を主体としつつ女性の就労率が高い国では、比較的女性の就労に配慮した制度が存在する例もあります。こうした各国の現状を比較し、「なぜ違うのか」または「なぜ同じなのか」社会に通底する規則性を探っていきます。
知られざる地域を
自力で探究していく喜びが
私が指導する大学院生の研究対象は、日本ではあまりなじみのない《東欧》地域になります。最近でこそ日本での研究も増えてきましたが、それでもまだほとんど研究がなされていない分野や領域があるのも、スラブ地域研究の面白いところです。この他にもまだ各地に皆さんだから探し当てることができる研究テーマが潜んでいます。
我々地域研究者にとって英語と対象地域の言語の習得は必須です。特に大半の資料が英語論文であるため、専門知識を覚えるという意味でも英文の読解力を磨く必要があります。また、地域研究だからといって一つの国や地域に集中しすぎず、広い視野で世界を見つめることも大切です。地域を横断するまなざしで、新しい世界の法則を見出してください。
(聞き手・構成 佐藤優子)
メッセージ
なぜ東欧政治をやるのか、というのは、説明しにくいところがあります。あえて書くなら多面的な見方ができる面白さ、というのがあるのですが、詳しいことは私の著書『中東欧の政治』(東京大学出版会)の序章「中東欧の政治をどう見るか」を読んでくださると幸いです。
研究活動
略歴
1987年、東京大学教養学部教養学科卒業、1994年、東京大学総合文化研究科国際関係論専攻単位取得退学。スラブ研究センターの非常勤研究員(中核的研究機関研究員)を経て、1996年から2014年9月まで西南学院大学法学部に在籍。2014年10月から現職。
主要業績
- 『中東欧の政治』(単著)(東京大学出版会、2021年)
- 『新・世界の社会福祉 5 旧ソ連/東欧』(編著)(旬報社、2019年)
- The great dispersion: the many fates of Post-Communist society(編著)(Sapporo: Slavic-Eurasian Research Center, 2018).
- 『脱新自由主義の時代?―新しい政治経済秩序の模索』(編著)(京都大学学術出版会、2017年)
- 『ネオリベラリズムの実践現場―中東欧・ロシアとラテンアメリカ』(村上勇介との共編)(京都大学学術出版会、2013年)
- 『ポスト社会主義期の政治と経済―旧ソ連・中東欧の比較』(林忠行との共編)(北海道大学出版会、2011年)
所属学会
- 日本比較政治学会
- 日本政治学会
- 日本国際政治学会
教育活動
授業担当(文学院)
- スラブ・ユーラシア総合研究特別演習
- スラブ・ユーラシア社会研究特別演習
おすすめの本
- バリントン Jr. ムーア『独裁と民主政治の社会的起源(上・下)』(岩波文庫、2019年復刊)
原著は60年以上前に出版されたものですが、各国の歴史過程の違いを体系的に説明しようとするその議論は、不明確なところもありますが現在でも色あせないものがあります。私が比較政治をやるきっかけとなった本でもあります。