プロフィール

林 琢也 准教授 / HAYASHI Takuya
研究内容

人文地理学の視点から,大きく4つのテーマを中心にフィールドワークを重視した研究を進めています。
①日本における観光農業発展の地域システムに関する研究
②都市における「農」の役割に関する研究
③地域づくり・観光振興に関する実践研究
④農業分野における知的財産権の保護・活用に関する研究。

研究分野
人文地理学、観光地理学、農村地理学
キーワード
観光レクリエーション、農業、農村、地域づくり、合意形成
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人間科学部門/地域科学分野/地域科学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人間科学専攻/地域科学講座/地域科学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/人間科学コース/地域科学研究室
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
地域科学研究室林 琢也 准教授

人と地域の関わりを描く
「観光」「農業」「農村」研究

人文地理学は人間と場所の関わりに着目する学問です。例えば、農村において都市住民や観光客が農産物を収穫できる観光農園は皆さんもよくご存知だと思いますが、実は東京都内でも10年以上前からブルーベリーの摘み取り園が増えています。市街化が進む中にあって、都市住民と生産者や農地をつなぐ役割を観光農園が果たしているのです。地域の変化に及ぼす人間の影響は大きく、私はそうした現象のもつ意味や変化の要因などを関係者への聞き取りやアンケート調査をもとに分析・考察しています。

北海道は「観光」「農業」「農村」「食」「地域づくり」といった研究をおこなう上でフィールドの宝庫です。学内にも多彩な分野の先生方がおり、文学部はもとより、他部局の先生方も含め学際的な連携体制が構築できれば、北海道らしい雄大な視点から充実した研究を進めていくことができると思います。

観光農園は、果樹栽培の盛んな地域や大都市の周辺地域に数多く展開している。現地を訪れ、聞き取りをおこなうと、各農園の経営戦略には、地域性や立地条件が影響している場合が多く、そこに地理学の貢献可能性を感じることができる。
ブドウやリンゴ、サクランボ、ブルーベリーなどを利用した観光農業に関する調査を研究の主軸に据え、その他に岐阜県郡上市和良町の地域づくりの実践活動にも積極的に携わっている。

文理融合の思考を鍛える
総合科学としてのフィールドワーク

学生指導では、皆さんが卒業後の人生においても糧となるような学びを習得できるように心がけています。フィールドワークは協力してくださる方々がいて初めて成立するものです。調査での立ち居振る舞いや感謝の気持ちなど大切なことをおざなりにせず、1人の人間として成長して欲しいと願っています。

その地域で起きている現象を丹念に調査・分析し、理解するには文系理系を問わず様々な分野の研究成果や理論などにも目を配ることが必要であり、そうした知見も含めた上で総合的に地域を捉えることが不可欠です。それは地理学が総合科学といわれるゆえんでもあります。学生時代にフィールドワークを経験することで文理融合の思考を身に付け、願うことならば、お世話になった地域への還元や応援の気持ちを長く持ち続けてくれたら嬉しいです。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

<研究の内容と特徴>
人文地理学の視点から農山村や観光地を対象にした研究を行っています。農山村の活性化や観光化のあり方を考える場合,万能薬は存在せず,それぞれの地域の特性に応じた対応や戦略が必要です。そのためには,事前に既往の研究論文や学術書,関連資料を読み込み,統計データの分析等を行った上で,現地へ赴き,関係者にインタビューやアンケート調査を行うことが不可欠です。また,集会や会合に参加させてもらったり,一緒に地域づくりの活動やイベントに取り組むこともあります。こうした作業を繰り返すことで,研究対象とする地域やそこで起きている現象を解釈するためのピースが揃っていきます。実際にフィールドに出かけ,興味や関心をもったことの背後にあることを明らかにしていくことは,推理小説やサスペンスドラマの結末を予測しながら「謎」を解き明かしているような気分に近いかもしれません。

研究活動

略歴

筑波大学大学院修了、博士(理学)。首都大学東京(都市環境学部/自然・文化ツーリズムコース)特任助教、岐阜大学(地域科学部)助教・准教授を経て現職。

主要業績

  • 「愛知県田原市における輪ギク生産地域の維持・発展システム-生産者のネットワークに注目して-」地学雑誌128(2),2019年。
  • 「地域づくりの現場で学ぶフィールドワーク教育の成果と課題―郡上市和良町を事例に―」経済地理学年報65(1),2019年。
  • 「東京都における観光農園の立地と果樹園経営の持続性」分担執筆『ツーリズムの地理学―観光から考える地域の魅力―』(二宮書店),2018年。
  • 「知的財産権を活用した農業振興の可能性」経済地理学年報61(1),2015年。
  • 「『取り残される農村』は消滅していくのか? ―郡上市和良町での「経験」とそれをもとにした『反証』―」地理空間8(2),2015年。
  • 『長良ぶどう発達史』編著(長良ぶどう部会・記念誌出版実行委員会)2013年。
  • 「山梨県南アルプス市西野地区におけるアグリ・ツーリズムの変化と観光農園経営者の適応戦略」地学雑誌122(3),2013年。
  • 『役に立つ地理学』共編著(古今書院),2012年。
  • 「Sustainable Systems of Agri-tourism in a Cherry-growing Area:A Case Study of the Miizumi Area, Sagae City, Yamagata Prefecture」Geographical Review of Japan Series B 82(2),2010年。
  • 「青森県南部町名川地域における観光農業の発展要因―地域リーダーの役割に注目して―」地理学評論 80(11),2007年。

所属学会

日本地理学会、人文地理学会、経済地理学会、東京地学協会、日本村落研究学会、観光学術学会、日本観光研究学会、農村計画学会など

教育活動

授業担当(文学部)

  • 地域システム科学概論
  • 地域科学演習
  • 野外調査法実習
  • 地域科学演習
  • 地域科学特殊演習

授業担当(文学院)

  • 経済地理学特別演習
  • 地域科学特殊講義

授業担当(全学教育)

一般教育演習(人文地理学の基礎)