研究と社会貢献教員一覧

河原 純一郎

河原 純一郎 准教授 / KAWAHARA Jun-ichiro

所属専攻・所属講座
人間システム科学専攻 心理システム科学講座
研究分野
認知行動科学(注意、記憶、魅力、ストレス、産業応用)
研究内容
人間の行動を支える意識・無意識プロセスに関わる注意と記憶。
認知機能に影響しうる要因である、魅力や疲労・ストレスに
焦点を当てた研究をしています。
WEB site
キーワード
注意と記憶の心理学。魅力評価、疲労・ストレス
連絡先
研究室: 古河205,209
E-mail: jkawa * let.hokudai.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

Lab.Letters 研究室からのメッセージ

同じ対象物が生み出す異なる感じ方
注意と記憶に関する人の行動を計測

 上の動画にあるように、切り換わる画像が文字からより複雑な風景になったとしても、私たちは正解にたどりつくことができます。ここで使われた私たちの認知システムは、大雑把で無意識的・自動的にはたらく仕組みと、「注意資源」を使いながら緻密に意識的・能動的にはたらく仕組みが共存しています。無意識システムの限界は?注意資源の配分はどんな原則に基づくのか?私の研究室では、主に注意と記憶という観点から認識の仕組みを理解するための実験を行い、人の行動を計測する技術を開発しています。
 研究は、注意、記憶、魅力に関わる基礎研究と、自動車、食品、医薬・化粧品などの企業との共同・受託研究の二本立てでやっています。日常生活の中から研究テーマを見つけやすい点も、この研究分野の面白さのひとつです。

  • 実験目的に応じてコンピュータや専用の装置を使ったり、現場で行動観察をすることもある。
  • 実験の詳細は皆で話し合いながら決め、結果が得られたら議論を重ね、次の実験へと進んでいく。

業界を生き抜く自営感覚を鍛え
将来につながる院生時代を応援

 学生の皆さん、特に将来、教育・研究職を目指す人には、一教育者・研究者としての「自営感覚」が身に付くような指導をしていきたいと考えています。例えば、研究に労力をかける必要があるのは当然ですが、ただ時間をかければよいというものでもありません。学生さんとの綿密な打ち合わせを通して“次の一手”を考えながら、実りの多い大学院生活となるよう、皆さんをガイドできればと思います。
 基本は何事にも積極的に、「やれそう」と思う可能性が少しでもあれば臆せず挑戦していってください。教育・研究業界で職を得るにはそれなりの方法があります。それを知りたい? そんな人は適性があるかもしれません。お問い合わせをお待ちしています。
(聞き手・構成 佐藤優子)

<メッセージ>
当研究室の目標は、楽しく、将来に役に立つ研究をすることです。

ここでいう“楽しく”とは、心理学界からみて面白い、わくわくするというだけでなく、所属メンバー個人の人生の一部として楽しく思えることも含みます。同様に、“役に立つ”とは、世の中や心理学界に貢献するだけでなく、自身の将来にも有益であることも含みます。

所属メンバーが世の中に出てから、“お、さすが心理学の研究室卒やね”、と言われるような知識と技能を習得できるようにすることが指導担当(河原)の仕事だと思っています。そして、卒業後も、楽しい大学生活だったなあと感じて貰えるようにしたいと思っています。

大学院生は、仮説構築と実験的検証の訓練を通して、独立した研究者として必要な次の4つの技能を身につけます。

問題発見と解決法
混沌とする知見を整理し、何が問題かを見抜く能力。

研究実行能力
問題と解決法が決まったら、実際に研究を具体的に実施する能力。
これには実験計画法、分析技術を含みます。

研究発表能力
論文の書き方には型があります。単に、要約・目的・方法・結果・考察のという水準の書き方だけでなく、 (査)読者が引っかかりそうな書き方と、そうでない書き方など、具体例で示しながら訓練します。また、査読のプロセスでの対応の仕方についても実地訓練します。

自営能力
修了後は独立した研究者として活動できるように、この業界で生き延びるための訓練をします。研究室の運営、他の研究者との交流や共同研究、授業の仕方に関する諸技能、大学や研究機関での自己管理能力を訓練します。
これらの能力獲得の証明としての副産物が学位論文(修士論文、博士論文)です。

研究活動

略歴
広島大学教育学部卒業、同大学大学院教育学研究科修了、博士(心理学)(広島大学)。
広島大学助教授,産業技術総合研究所主任研究員,中京大学教授などを経て、2015年より現職。
主要業績
★2015年度日本心理学会で学術大会優秀発表賞を受賞
発表題目:「低アルコール摂取事態での潜在的気分測定」
(発表者:○宮崎 由樹・佐藤 史織・河原 純一郎)

★2014年度日本心理学会で学術大会特別優秀発表賞を受賞
発表題目:「顔の魅力に及ぼす衛生マスクの効果」
(発表者:○伊藤 資浩・河原 純一郎)

★第12回日本認知心理学会で優秀発表賞を受賞
<総合性評価部門>
発表題目:「完全に課題非関連な顔は知覚負荷に関係なく注意捕捉する」
(発表者:佐藤史織・河原純一郎)
<発表力評価部門>
発表題目:「大きな声で大きな動作 − 発生音圧と描画サイズとの適合性 −」
(発表者:永井聖剛・山田陽平・河原純一郎)

 Miyazaki, Y., & Kawahara, J. (in press). The Sanitary-Mask Effect on Perceived Facial Attractiveness. Japanese Psychological Research.
 Ito, M., & Kawahara, J. (2016). Contingent attentional capture across multiple feature dimensions in a temporal search task. Acta Psychologica, 163, 107-113.
 河原 純一郎、横澤一彦, 2015,『注意 選択と統合』,勁草書房
 Inukai, T., Shimomura, T., & Kawahara, J. (in press). Attentional capture during attentional awakening. Attention, Perception and Psychophysics.
 Kihara, K., Takeuchi, T., Yoshimoto, S., Kondo, H. M., & Kawahara, J. (2015). Pupillometric evidence for the locus coeruleus-noradrenaline system facilitating attentional processing of action-triggered visual stimuli. Frontiers in Psychology. doi: 10.3389/fpsyg.2015.00827
 Osugi, T., & Kawahara, J. (in press). Effects of bowing on perception of attractiveness. Attention, Perception and Psychophysics.
Sato, S., & Kawahara, J. (2015). Attentional capture by completely task-irrelevant faces. Psychological Research, 75, 523-533. DOI: 10.1007/s00426-014-0599-8
 永井聖剛・西崎友規子・佐藤稔久・河原純一郎・平松真知子・寸田剛司 (2015). 実運転における右折時の同調的不安全行動とドライバ個人特性:認知機能および性格特性から 認知科学 22, 194-202.
 明石法子,三盃亜美,宇野彰,河原純一郎,Cortheart, M. (2014). 成人の漢字単語書き取りにおける単語属性効果および誤反応特徴. 音声言語医学, 55, 162-166.
 Kawahara, J., Sato, H. (2013). The effect of fatigue on attentional blink. Attention, Perception & Performance, 75, 1096-1102.
 佐藤稔久,河原純一郎,熊田孝恒,赤松幹之 (2013). 長時間運転での疲労蓄積への影響要因の分析とドライバーの疲労蓄積タイプの分類 自動車技術会論文集, 44, 1451-1458.
 河原純一郎 (2013). 注意 最新心理学事典 藤永保(監修)・内田伸子・繁枡算男・杉山憲司(責任編集) 平凡社.Pp. 521-522
 Kawahara, J., Yanase, K., & Kitazaki, M. (2012). Attentional capture by the onset and offset of motion signals outside the spatial focus of attention. Journal of Vision, 12(12), 1-13.
 竹中一平,河原純一郎,熊田孝恒 (2012). 急性ストレスが選択的注意に及ぼす影響 基礎心理学研究, 31, 42-56. (2013年度日本基礎心理学会優秀論文賞受賞)
 Sato, H., Takenaka, I. & Kawahara, J. (2012). The effects of acute stress and perceptual load on distractor interference. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 65, 617-623.
 Kihara, K., & Kawahara, J. (2012). Voluntary production of a visual stimulus attenuates attentional blink. Attention, Perception, & Performance, 74, 312-321.
 Sato, H., & Kawahara, J. (2012). Assessing acute stress with the Implicit Association Test. Cognition and Emotion.
 Kawahara, J. & Kihara, K. (2011). No commonality between attentional capture and attentional blink. The Quarterly Journal of Experimental Psychology, 64, 991-1008.
 Kawahara, J. (2010). Identifying a "default" visual search mode with operant conditioning. Acta Psychologica, 38-49.
 Kihara, K., Yagi, Y., Takeda, Y., & Kawahara, J. (2011). Distractor devaluation effect in the attentional blink: Direct evidence for distractor inhibition. Journal of Experimental Psychology: Human Perception & Performance, 37, 168-179.
 Kawahara, J. (2010). Measuring the spatial distribution of the metaattentional spotlight. Consciousness and Cognition, 19, 107-124.
 Inukai, T., Kumada, T., & Kawahara, J. (2010). Attentional capture decreases when distractors remain visible during rapid serial visual presentations. Attention, Perception, & Psychophysics, 72, 939-950.
 河原純一郎・坂上貴之(編著) (2010). 心理学の実験倫理 「被験者」実験の現状と展望 勁草書房.
 河原純一郎・田中真樹 (2010). 第7章 注意と眼球運動 イラストレクチャー 認知神経科学 村上郁也(編) オーム社. Pp. 107-124.
 Leber, A., Kawahara, J. & Gabari, Y. (2009). Long-term abstract learning of attentional set. Journal of Experimental Psychology: Human Perception & Performance, 35, 1385-1397.
 Kawahara, J. (2009). When do additional distractors reduce the attentional blink? Journal of Experimental Psychology: Human Perception & Performance, 35, 1043-1061.
 Lleras, A., Levinthal, B., & Kawahara, J. (2009). Past rejections lead to future misses: Selection-related inhibition produces blink-like misses of future (easily detectable) events. Journal of Vision, 9, Article 26, 1-12.
 Kawahara, J. & Enns, J. T. (2009). Selection difficulty and inter-item competition are independent factors in rapid visual stream perception. Journal of Experimental Psychology: Human Perception & Performance, 35, 146-158.
 河原純一郎 (2009). 第2章 感覚と知覚 よくわかる心理学 無藤隆・池上知子・福丸由佳・森敏昭(編) ミネルヴァ書房. Pp. 22-37.
 Yamada, Y., & Kawahara, J. (2007). Dividing attention between two different categories and locations in rapid serial visual presentations. Perception & Psychophysics, 69, 1218-1229.
 Ono, F., & Kawahara, J. (2007). The subjective size of visual stimuli affects the perceived duration of their presentation. Perception & Psychophysics, 69, 952-957.
 Kawahara, J., & Yamada, Y. (2006). Two non-contiguous locations can be attended concurrently: Evidence from the attentional blink. Psychonomic Bulletin & Review, 13, 594-599.
 河原純一郎 (2007). 注意の時間的特性 感覚知覚ハンドブック増補版 大山正・和気典二(編) 誠信書房. Pp. 72-77, 97-100.
 Kawahara, J., Kumada, T., & Di Lollo, V. (2006). The attentional blink is governed by a temporary loss of control. Psychonomic Bulletin & Review, 13, 886-890.
 Nabeta, T., & Kawahara, J. (2006). The reduction of false recognition through haptic presentation of objects. The European Journal of Cognitive Psychology, 18, 801-812.
 Kawahara, J., Enns, J. T., & Di Lollo, V. (2006). The attentional blink is not a unitary phenomenon. Psychological Research, 70, 405-413.
 Di Lollo, V., Kawahara, J., Ghorashi, S. M., & Enns, J. T. (2005). The attentional blink: Resource limitation or temporary loss of control? Psychological Research, 69, 191-200.
 Ariga, A., & Kawahara, J. (2004). The perceptual and cognitive distractor-previewing effect. Journal of Vision, 4, 891-903. (refereed full paper).
 河原純一郎 (2003). 注意の瞬き 心理学評論, 46, 501-526.
 Kawahara, J., Zuvic, S. M., Enns, J. T., & Di Lollo, V. (2003). Task switching mediates the attentional blink even without backward masking. Perception & Psychophysics, 65, 339-351.
 Kawahara, J., Di Lollo, V., & Enns, J. T. (2001). Attentional requirements in visual detection and identification: Evidence from the attentional blink. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 27, 969-984.
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