研究と社会貢献教員一覧

安達 真由美

安達 真由美 教授 / ADACHI Mayumi

所属専攻・所属講座
人間システム科学専攻 心理システム科学講座
研究分野
音楽心理学(期待、発達、初見視奏、コミュニケーション)
研究内容
音楽における特定の感情や表現がどのようにして演奏者から聴取者に伝わるのか。初見奏に関わる認知メカニズムの解明。家庭内外における経験が子どもの発達に与える影響の解明。旋律に対する期待の文化差等。
WEB site
キーワード
音楽コミュニケーション、音楽的発達、音楽のアフォーダンス
連絡先
研究室: 515
TEL: 011-706-4168
E-mail: m.adachi*let.hokudai.ac.jp 
(*を半角@に変えて入力ください)
FAX: 011-706-4168

Lab.Letters 研究室からのメッセージ

2年間の親子の記録から読む
音楽、育児、発達の関連性

私が指導する研究の二大キーワードは「音楽」と「発達」。過去にピアノ教師をしていたこともあり、音楽の演奏・作曲・鑑賞に関わる認知・学習過程の解明に貢献したいと考えています。また、ここ数年は、家庭や幼児・初等教育における音楽の影響や乳幼児の発達、あるいは両者の関連性なども取り扱っています。2008年には札幌で開催した「国際音楽知覚認知会議」のオーガナイザーを務め、そこで約30組の親子を継続的に追った研究の最初の部分の成果を発表することができました。母親自身の音楽との関わり方や育児意識、母親との日常で乳児の音楽との関わりはどう変わっていくのか、すでに学会で発表した内容以外にも、まだまだ掘り下げることができる貴重なデータが分析される日を待っています。我こそはその続きをやってみたいと思う方の登場を心待ちにしています。

  • 進行中の「ベイビープロジェクト」では、胎児や乳児を取り巻く家庭内外の音楽環境が、子どもの心や身体の発達にどのように関わっているのかについて研究している。
  • 安達先生は「歌」に関する国際共同プロジェクト「AIRS」(http://www.airsplace.ca/)にも参加。日本とカナダの子どもたちが「楽しさ・悲しさ」を歌でどう表現するかの研究も行った。

日常生活の疑問からスタート
カナヅチを捨てる柔らか思考

全ての研究は、"日常生活で起きている音楽・発達上のどんな疑問点を明らかにしたいのか"というリサーチクエスチョンを明確にすることから始まります。その疑問を解決するためには、自分が得意とする研究手法一辺倒になる「カナヅチ症候群」に陥ってはいけません。家を建てる際にカナヅチ以外の道具が必要であるのと同様に、直面している問題を見極め、最適な研究手法を選んで実行する力が必要です。その術を身につけることができれば、研究以外の場でも生かすことができます。また、皆さんが世界で活躍できるよう、月に一度英語ゼミも行っています。興味がある方はぜひご参加ください。
(聞き手・構成 佐藤優子)

<メッセージ>
私の研究室では、音楽に興味を持っているメンバーが、様々なプロジェクトを行なっています。現在進行中のプロジェクトは、「ピアノ演奏」と「音楽の効果」という2つのトピックに分けられます。前者には、「ピアノ演奏時の身体の動きと表現の関連性や、演奏者の身体の動きが聴取者に与える印象について」の研究や、「ピアノ学習を通じて、どのように初見奏に関するメカニズムが変化していくのか」ということについての研究が含まれ、後者には「家庭の音楽環境や早期音楽教育が乳児の発達にどのような影響を与えるのか」ということや、「音楽との関わり方が母親の育児意識に与える影響」、さらには「音楽そのものがヒトの無意識的な行動に与える影響」についての研究が含まれます。また一時休止しているプロジェクトには、「歌による感情伝達のメカニズム」や「音楽の持つ視覚的イメージ」、「音楽文化や音楽学習経験がリズムや拍子の知覚に与える影響」、「旋律に対する期待が覚醒度に与える影響」等があります。
 2009年からは「歌」に関する国際共同研究プロジェクトAIRSに参画しています。世界各地で収集された子どもたちの歌のデータをウェブで共有しながら研究を進めることができるようになります。個人的には、一時休止している歌に関する研究を再開するだけではなく、乳児の発声が言語と歌に分化する軌跡や、その分化に影響を与える要因についても検討していきたいと思っています。

研究活動

略歴
新潟大学卒業後ピアノ指導に携わり、コロンビア大学にてピアノ教育学と音楽教育学の二つの修士号を取得。ワシントン大学にてPh.D.(心理音楽学)を取得し、トロント大学ポスドク、山梨大学助教授を、2002年北海道大学大学院文学研究科准教授を経て、現職。
主要業績
【音楽的発達・音楽指導】
Adachi, M. (in press). Incorporating formal lesson materials into spontaneous musical play: A window for how young children learn music. In C. H. Lum & P. Whiteman (Eds.), Musical Childhoods of the Asia-Pacific. Charlotte, NC: Information Age Publishing.

Adachi, M. (in press). Musically rich but creatively poor: A cautionary tale of music nurturing in Japanese preschools. In P. S. Campbell & T. Wiggins (Eds.), The Oxford handbook of children’s musical cultures. New York, NY: Oxford University Press.

Adachi, M., & Trehub, S. E. (in press). Musical lives of infants. In G. McPherson & G. Welch (Eds.), The Oxford handbook of music education. New York, NY: Oxford University Press.

Adachi, M., & Trehub, S. E. (2011). Canadian and Japanese preschoolers’ creation of happy and sad songs. Psychomusicology, 21, 69-82.

安達真由美(2011) "Happy"と"Sad"ー子どもはどう歌に託すのか? 千葉恵(編著)笑い力ー人文学でワッハッハ(pp.91-122).札幌:北海道大学出版会.

Adachi, M., & Chino, Y. (2004). Inspiring creativity through music. In S. Lau, A. N. N. Hui, & G. Y. C. Ng (Eds.), Creativity: When east meets west (pp. 305-340). Singapore: World Scientific.


【音楽の演奏・聴取】
安達真由美・小川容子(監訳)(2011)演奏を支える心と科学.東京:誠信書房.

Shoda, H., & Adachi, M. (2011). The role of a pianist’s affective and structural interpretations in his expressive body movement: A single case study. Music Perception, 29(3), 237-254.

安達真由美(2006)音楽の意味を科学する.大津由起雄・波多野誼余夫・三宅ほなみ(編著)認知科学への招待2ー心の研究の多様性を探る (pp. 148-166). 東京:研究社.

Schellenberg, E. G., Adachi, M., Purdy, K. T., & McKinnon, M. C. (2002). Expectancy in melody: Tests of children and adults. Journal of Experimental Psychology: General, 131(4), 511-537.
所属学会
日本音楽知覚認知学会、日本心理学会、日本認知心理学会、日本音楽教育学会、Society for Education, Music and Psychology Research, Society for Research in Child Development, International Society for Infant Studies 等
関連サイト
研究室
北大研究者総覧
researchmap

教育活動

担当授業(大学院)
学習過程論特別演習I・II、心理学特殊講義
担当授業(文学部)
心理学演習、基礎心理学、認知心理学、行動心理学、心理学特殊演習、心理学実験実習
担当授業(全学教育)
芸術と文学
おすすめの本
北海道大学附属図書館Webサイトの「不朽の名著」のコーナー
→安達真由美 先生 ご推薦の図書
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