吉田 拓矢

プロフィール

吉田 拓矢 講師 / YOSHIDA Takuya
研究内容

おもに飛鳥時代から平安時代にかけての、暦法や天文について研究しています。

研究分野
日本古代史、天文暦算史
キーワード
日本古代、律令制、暦法、天文
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/歴史学分野/日本史学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/歴史学講座/日本史学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/歴史学・人類学コース/日本史学研究室
連絡先

研究室: 424
Email: w-yoshida*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
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Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
日本史学研究室吉田 拓矢 講師

暦に身を委ねた人々の心を
読み解く現代の暦博士に

日本古代には中国伝来の暦法に掲載されていた数式を計算して本邦の暦を作る暦博士という技術職が存在しました。その計算法を知る者だけが作ることができた当時の暦は、日食のような科学的な天文現象を予測するだけでなく、来月は何日まであるのかという基本情報や日々の吉凶を示す占いを含めて様々なことが記載されており、人々の生活を規定する非常に重要なものでした。千年前の貴族も、来週の空模様が気になる現代の私たちも、天空を見上げる行為は同じであり、もしかすると同じ悩みや同じ喜びを抱えていたのかもしれません。そうした暦に身を委ねた人々の心の機微を、暦博士さながらに史料とデータから読み取く暦算研究に没頭しています。

日月食の計算法などを記した、賀茂氏の秘本『暦家秘道私記(宣明暦注定付之事)』(国立天文台ホームページより引用)。
奈良国立博物館「正倉院展」を見学するため毎年、奈良を訪問。画像は復元された平城宮大極殿(吉田講師撮影)。

古代史の「なぜ?」は
解明されるのを待っている

暦博士の中には代々その任を世襲した賀茂氏がおり、古来からの予測技術や専門知識を次の世代へ守り伝えてきましたが、賀茂氏の断絶とともに長年蓄積された技術や知識の一部が失われてゆきました。天文暦算史に限らず、日本の古代史もこのまま研究者人口が先細りになると、実はまだ開拓の余地があった古代史の疑問や矛盾も解明されないままに。これから史料を何度も丹念に読み解いていけば、きっとあなたでなければ気づくことができない研究テーマが見えてきます。その日を迎えるためにも、教員との距離が近く、研究に集中できる北海道大学で共に史料と向き合ってみませんか。少人数制を活かして、実践的な研究計画を考えるサポート体制も万全です。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

歴史研究の出発点は、やはり史料です。演習では、学生の皆さんにできるだけ多くの史料に接していただくため、六国史、律令格式、古記録(日記)など、さまざまな古代の文献を講読しています。そして、このような著名な文献の中ですら、未知の事柄は数多く残されています。演習を通じて、それぞれに探究したい論点を見出していただければと思います。

研究室には必要な文献が揃っており、ほどよい少人数体制で、研究に打ち込める環境が整っています。きめ細やかな指導で、皆さんの研究を応援いたします。

研究活動

略歴

1994年札幌市生まれ。北海道札幌北高等学校卒、北海道大学文学部卒、同大学大学院文学院修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PDを経て、2023年4月より現職。

主要業績

  • 「日本古代における夜蝕」(『続日本紀研究』第426号,2021年)
  • 「日本古代における日蝕予報」(『時間学研究』第11号,2020年)
  • 「日本古代における暦法の施行と運用」(『日本歴史』第852号,2019年)

所属学会

  • 史学会
  • 続日本紀研究会
  • 日本時間学会
  • 日本歴史学会
  • 北大史学会
  • 北海道歴史研究者協議会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 日本史学
  • 日本史学演習

授業担当(文学院)

  • 日本史学特殊講義
  • 日本古代史特別演習

授業担当(全学教育)

  • 歴史の視座

おすすめの本

  • 『日本史を学ぶための〈古代の暦〉入門』細井浩志(吉川弘文館)
    前近代の暦(太陰太陽暦)について知ることは、歴史や文化を理解する助けとなります。