山崎 幸治

プロフィール

山崎 幸治 准教授 / YAMASAKI Koji
研究内容

博物館資料の現代的意義とその活用に関心を持ち、アイヌ物質文化および博物館に関する研究をおこなっています。先住民に関する展示、アイヌ工芸の振興、海外アイヌ・コレクションについても研究をおこなっています。

研究分野
アイヌ物質文化、文化人類学、博物館学
キーワード
アイヌ、先住民、博物館、展示、物質文化
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/アイヌ・先住民学講座/アイヌ・先住民学研究室
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
アイヌ・先住民学研究室山崎 幸治 准教授

アイヌ物質文化の現代的意義
思いを記述する並走者に

博物館に収蔵されている品々は、過去の歴史や文化を物語るだけでなく、未来に活かされる重要な文化資源です。私は、民具などのアイヌ物質文化を主な対象に博物館人類学の視点から研究をおこなっています。

展示の企画や実践、アイヌ工芸家との共同調査などもおこない、2009年に開催した、アイヌ民具を現代の工芸家に「複製」してもらう企画展では、古いモノに残る手技のあとを辿ることで各工芸家に新しい発見があったことがわかりました。今後もこうした場を生み出し、アイヌの人々が感じる思いや発見を間近で学ばせていただきながら、「並走する」研究姿勢を貫いていきたいです。

北海道大学総合博物館で開催した「『アイヌ』のモノとイメージ」展。過小評価されがちなアイヌのお土産品に関する研究にも関心がある。
織物アットゥㇱの原材料となるオヒョウの樹皮採取に同行。

得難い環境のもとで
当たり前を疑う視点を大切に

私が所属する北海道大学アイヌ・先住民研究センターは2007年4月に開設されました。設立メンバーとしてスタートアップ作業に追われたことも懐かしく、2019年度からは文学院で「アイヌ・先住民学」に関する教育が始まっています。

アイヌ民族の先住の地である北海道に暮らす人々は、他地域にはない得難い環境のもとにあります。この場所にいるからこそ見えてくる史実や事柄を受け止め、同時に自身の「当たり前」を疑う柔軟な視点を大切にしてほしい。研究を通して未来を歩むヒントを一緒に探していければ、という思いでアイヌ・先住民研究に関心を持つ皆さんを幅広く歓迎します。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

人類の営みは、過去から現在にいたるまで常にモノと共にあります。モノに関する研究は、古くて新しい分野です。モノという視点から眺めることで、今までとは違う世界が見えてきます。授業は、アイヌ、先住民、博物館、展示、物質文化などを主なテーマとして進めていきますが、そこでの目標は第三者的立場からの観察や理解ではなく、自分自身が「今ここに在ること」について考え、そこから自分に何ができるのか、何になれるのかを考えつづける技術を身につけることです。実践や応用といった視点も重要です。学びの日々は、楽しい発見ばかりではありませんが、その後の人生を充実させるノウハウを身につけることができると思います。

研究活動

略歴

1975年、福岡県北九州市生まれ。名古屋大学人間情報学研究科博士課程単位取得退学。小谷凱宣教授(名古屋大学名誉教授)による海外アイヌ・コレ クション調査のなかで文化人類学およびアイヌ文化について学ぶ。2007年、北海道大学アイヌ・先住民研究センター助教、2010年より現職。

主要業績

  • 山崎幸治 2009.02 加藤克・天野哲也共編 『teetasinrit tekurukoci 先人の手あと 北大所蔵アイヌ資料:受けつぐ技』 北海道大学総合博物館、北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. 全102頁.
  • 山崎幸治 2009.02 「先住民族と博物館資料:アイヌ文化展示準備のなかでの学び 」山崎幸治・加藤克・天野哲也共編『teetasinrit tekurukoci 先人の手あと 北大所蔵アイヌ資料:受けつぐ技』 北海道大学総合博物館、北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp.92-97.
  • 山崎幸治 2009.03.25 「現代における物質文化資料の収集について:コメント」 北海道立北方民族博物館編 『北方の文化:北太平洋地域の博物館と民族文化3』(第23回北方民族文化シンポジウム報告書) 財団法人北方文化振興協会: 網走. pp.41-44.
  • 山崎幸治 2009.06 「アイヌ史研究におけるモノと文献:シーボルトの蝦夷細工を中心に」 学術文献刊行会編 『日本史学年次別論文集(日本史学一般)2006年版』(全文収録) 朋文社:東京. pp.638-645.
  • 山崎幸治 2009.07.30 佐藤知己共著「『北海道大学アイヌ・先住民研究センター』案内看板のアイヌ語表記について 」『itahcara』第6号編集事務局編 『itahcara』6 itahcara第6号編集事務局: 白老. pp.69-74.
  • 山崎幸治 2009.12.16 「アイヌの霊魂観 」『古代世界の霊魂観』(アジア遊学128) 勉誠出版: 東京. pp.124-135.
  • 山崎幸治 2010.03.12 「第1章 調査対象の特性」小内透編著『現代アイヌの生活と意識:2008年北海道アイヌ民族生活実態調査報告書』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp.7-18.
  • 山崎幸治 2010.03.30 「質疑応答および討論について:第3部<博物館と観光>コメント」北海道立北方民族博物館編『現代社会と先住民文化:観光、芸術から考える①』(第24回北方民族文化シンポジウム報告書)財団法人北方文化振興協会: 網走. pp. 52-54.
  • 山崎幸治 2010.07.15 「アイヌ文化―伝統と現代―」アイヌ文化振興・研究推進機構編『アイヌ―美を求める心』アイヌ文化振興・研究推進機構: 札幌. pp. 148-154.
  • Yamasaki, Koji 2011.02.15「Sustainability and Indigenous people: A case study of the Ainu people.」Mitsuru Osaki, Ademola Braimoh and Ken’ichi Nakagami (ed.)『Designing Our Future: Local Perspectives on bioproduction, ecosystem & humanity』United Nations University Press: Tokyo pp. 360-374 . (Sustainability Science Series volume IV).
  • Yamasaki, Koji 2011.03.31「Chapter 1 Characteristics of the Survey Subjects」Toru ONAI (ed.)『Living Conditions and Consciousness of Present-day Ainu ― Report on the 2008 Hokkaido Ainu Living Condition Survey ―』 Center for Ainu and Indigenous Studies, Hokkaido University: Sapporo. pp. 9-20.
  • 山崎幸治・木山克彦・宇佐見祥子(編)2011.04.30『アイヌと境界(グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」第4期展示図録)』北海道大学グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」: 札幌. 全16頁.
  • Yamasaki, Koji, Katsuhiko Kiyama, Shoko Usami(eds.) 2011.04.30 『Ainu and Boundaries (Global COE Prpgram “Reshaping Japan’s Border Studies” 4th museum exhibition catalog)』 Hokkaido University, Global COE Prpgram “Reshaping Japan’s Border Studies”: Sapporo. 16pages.
  • 山崎幸治2011.07.29「いのる/イノミ」財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構編『千島・樺太・北海道 アイヌのくらし―ドイツコレクションを中心に―』財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構: 札幌. pp. 112.
  • 山崎幸治 2011.09.01「ヨーロッパの博物館におけるアイヌ資料」国立民族学博物館編『月刊みんぱく』第35巻第9号通巻第408号. 国立民族学博物館: 吹田. p. 3.
  • 山崎幸治・伊藤敦規 共編著2012.03.『世界のなかのアイヌ・アート』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. 全337頁. 住民族アート・プロジェクト報告書).
  • 山崎幸治2012.03. 伊藤敦規共著「はじめに―プロジェクトの目的と視座」山崎幸治・伊藤敦規(編著)『世界のなかのアイヌ・アート』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp.3-6.
  • 山崎幸治 2012.03.「アイヌ文化―伝統と現代-」山崎幸治・伊藤敦規(編著)『世界のなかのアイヌ・アート』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp. 31-44. (山崎 2010.07.15の再編版).
  • 山崎幸治2012.03. 伊藤敦規共著「おわりに―今後の展開にむけて」山崎幸治・伊藤敦規(編著)『世界のなかのアイヌ・アート』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp. 269-276.
  • Yamasaki, Koji 2012.03. Masaru Kato, Tesuya Amano (eds.) 『teetasinrit tekrukoci: The handprints of our Ancestors. Ainu Artifacts Housed at Hokkaido University-Inherited Techniques.』Hokkaido University Museum/Hokkaido University Center for Ainu & Indigenous Studies: Sapporo. 102 pages.
  • Yamasaki, Koji 2012.03. 「Indigenous Peoples and Museum materials-Lessons from Preparing for the Ainu Cultural Exhibition.」Koji Yamasaki, Masaru Kato, Tesuya Amano (eds.)『teetasinrit tekrukoci: The handprints of our Ancestors. Ainu Artifacts Housed at Hokkaido University-Inherited Techniques.』Hokkaido University Museum/Hokkaido University Center for Ainu & Indigenous Studies: Sapporo. pp. 92-96.
  • 山崎幸治2012.03.「古写真の調査方法に関する覚え書き-千歳地域におけるアイヌ関係古写真調査から-」加藤克(編)『大学博物館所蔵古写真の現代的意義に関する研究』北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園: 札幌. pp. 37-39.
  • 山崎幸治2012.03.20「『民族学研究』におけるアイヌ研究―終戦から昭和四〇年代まで―」ヨーゼフ・クライナー(編)『近代〈日本意識〉の成立-民俗学・民族学の貢献-』東京堂出版: 東京. pp. 360-375.
  • 山崎幸治2014.03.01 「境界を展示する:「アイヌと境界」展における試み」 『境界研究』 札幌. pp.141-149.
  • 山崎幸治 2014.03.10 岩下明裕、木山克彦、水谷裕佳 共著 「先住民という視座からの眺め」 岩下明裕、木山克彦編著 『図説 ユーラシアと日本の国境 ボーダー・ミュージアム 』 北海道大学出版会: 札幌. pp. 89-96.
  • 山崎幸治 2014.07.10 「先住民ネットワーク」 国立民族学博物館編 『世界民族百科事典』 丸善: 東京. pp. 286-287.
  • 山崎幸治 2015. 01. 30「映像作品をめぐる対話―北海道における〈アイヌと境界〉展」高倉浩樹編『展示する人類学―異文化と日本をつなぐ対話』昭和堂: 東京. pp. 171-198.
  • 山崎幸治2015. 03伊藤敦規・城石梨奈共編『アイヌ・アートが担う新たな役割:米国先住民アートショーに学ぶ』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. 全155頁.
  • 山崎幸治 2015. 03 伊藤敦規共著「序」山崎幸治、伊藤敦規、城石梨奈編『アイヌ・アートが担う新たな役割:米国先住民アートショーに学ぶ』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp. 4-11.
  • 山崎幸治 2015. 03 「シンポジウム趣旨説明」山崎幸治・伊藤敦規・城石梨奈編『アイヌ・アートが担う新たな役割:米国先住民アートショーに学ぶ』北海道大学アイヌ・先住民研究センター: 札幌. pp. 14-17.
  • 山崎幸治 2015. 07. 10「残すことから生まれることを残す:博物館というフィールド」FILDPLUS編集部編『フィールドプラス』14:18-19東京外語大学アジア・アフリカ言語文化研究所: 東京. pp. 18-19.
  • 山崎幸治2016.9.20「在外アイヌ資料調査の経験から(コメント)」伊藤敦規編『伝統知、記憶、情報、イメージの再収集と共有―民族誌資料を用いた協働カタログ制作の課題と展望』国立民族学博物館: 吹田. pp. 109-112.(国立民族学博物館調査報告137).
  • Yamasaki, Koji 2016.9.20「Overseas Ainu Collections and Info-Forum Museum Project: Comment」 Atsunori Ito (ed.) 『Re-Collection and Sharing Traditional Knowledge, Memories, Information, and Images: Challenges and the Prospects on Creating Collaborative Catalog』National Museum of Ethnology: Suita. pp. 113-117.
  • 山崎幸治 2016.11.01 「民族学博物館とアート作品」国立民族学博物館編『月刊みんぱく』第40巻第11号通巻470号.国立民族学博物館: 吹田. p. 5.
  • 山崎幸治2017.08「モノをめぐる過去と現在」政治大学原住民族研究中心編『原教界:原住民族教育情報誌』76台湾原住民族委員会: 台北. pp.82-89.
  • Yamasaki, Koji and Mara Miller 2017.12.29 「Ainu Aesthetics and Philosophy of Art: Replication, Remembering, Recovery.」 Minh Nguyen(ed.) 『New Essays in Japanese Aesthetics. 』Lexington Books: Lanham, Maryland. pp. 139-153.
  • 山崎幸治2018.9.20「博物館学(博物館プロジェクト/先住民族アート・プロジェクト報告)」
    北海道大学アイヌ・先住民研究センター編『アイヌ・先住民研究センターの10年―2007~2017―』北海道大学アイヌ・先住民研究センター:札幌. pp. 55-72.
  • 山崎幸治2018.09.15「現代に受けつがれるアイヌ狩猟文化」公益財団法人アイヌ民族文化財団編『キムンカムイとアイヌ―春夏秋冬』公益財団法人アイヌ民族文化財団:札幌. pp. 146-147.
  • 山崎幸治2018.06.28「ポーランド初のピウスツキ像とアイヌ特別展―ジョルィ市立博物館」(北の旅 日記)一般財団法人北方文化振興協会編『Arctic Circle』107(北海道立北方民族博物館友の会・季刊誌)一般財団法人北方文化振興協会:網走. 裏表紙.
  • 山崎幸治2018.03.27「アイヌ工芸と持続可能性」NPO法人さっぽろ自由学校「遊」編『SDGs北海道の地域目標をつくろう2「SDGs×先住民族」』NPO法人さっぽろ自由学校「遊」:札幌. pp. 24-25.
  • 山崎幸治2019.03. 31. 「ハインリッヒ・フォン・シーボルトのアイヌ資料の調査」大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館「ヨーロッパにおける19世紀日本関連在外資料調査研究・活用―日本文化発信にむけた国際連携のモデル構築― 」編『NEWS LETTER』3号。大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館(上記プロジェクト): 佐倉. pp. 2-3. 

所属学会

  • 日本文化人類学会
  • 北海道民族学会
  • 北海道博物館協会
  • アメリカ人類学会(AAA)

教育活動

授業担当(文学部)

  • 博物館展示論

授業担当(文学院)

  • アイヌ・先住民学特殊講義
  • アイヌ・先住民学総合特殊講義
  • アイヌ・先住民学海外特別演習

授業担当(全学教育)

  • 人間と文化(総合科目)