プロフィール
- 研究内容
内村鑑三の人生で一貫しているのは、一生をかけたキリスト教とのかかわりでした。日本人であり、武士である内村は、日本の思想や文化と欧米・キリスト教の思想や文化のギャップをどのように埋めようとしたのかを研究し続けてきました。
- 研究分野
- 日本におけるプロテスタントキリスト教、内村鑑三
- キーワード
- 内村鑑三、プロテスタント・キリスト教、札幌農学校、新渡戸稲造
- 文学研究院 所属部門/分野/研究室
- 国際担当
- 連絡先
研究室: E棟401室
TEL&FAX: 011-706-4078
Email: mlafay*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。- 関連リンク
Lab.letters
武士と信仰とジャーナリスト
Twitterタイプの内村鑑三
サムネイル写真(内村鑑三)提供:国際基督教大学 歴史資料室
内村鑑三の研究を続けて非常に面白いと感じるところは、彼の関心の幅広さです。『内村鑑三全集』全40巻を読むと、キリスト教徒である彼が「愛」や「平和」だけでなく「政治」「国」「美」「労働」などについて書いた様々な原稿を読むことができます。クェーカー教徒で合意を重んじる新渡戸稲造と違って、批判精神あふれる新聞記者でもあった内村は辛口の短文を得意とする、今で言うTwitterタイプ。現代の皆さんが読むと、明治と令和のギャップに驚くところや逆に「この主張は今でも通じるな」と思うところが見つかるかもしれません。武士という身分と札幌農学校で学んだ信仰の狭間で内村が世界をどう見ていたか、行間から読み解く面白さに魅せられています。
明治期の女性たちにも注目
目標は主要人物相関図
最近は、内村や新渡戸たちと同時代を生きた女性たちにも関心を持っています。明治4年に10年間の国費留学生としてアメリカに送られた山川捨松、津田梅子、永井繁子が日本に帰ってきてからの苦労や葛藤は、大変なものでした。一般にはあまり知られていない彼女たちの足跡をこれから丁寧にたどっていきたいと考えています。
また、さらに面白い点は内村や捨松たちを含め明治期の武士や貴族階級の名だたる人物たちは、直接かあるいは間接的にでも何らかのつながりを持っていたという共時的な人間関係です。私がよく利用する北大の文書館は興味深い展示企画も多いので、そこからいい刺激をもらいながら壮大な人物相関図を完成させたいと思っています。
(聞き手・構成 佐藤優子)
メッセージ
文学部の国際交流担当教員として、留学してみたい学生、または留学生のための支援を行なっています。留学してみたい!と思っている学生にとって大事なことは、下調べでしょう。まず、留学の時期を決めるために、講座の単位取得、実習、研究と卒論のプランを把握することがとても重要です。次は、行きたい大学のTOEFL・IELTSなどの語学要件と申し込む日程を北大のホームページなどインターネットで調べます。できるかぎりの下調べが終わったら、教務担当に来てください。留学実施のためのアドバイスやお手伝いができます。
留学生のために、さまざまな支援をしています。例えば、留学1年目をサポートするために日本語研究指導を行なうチューター制度があります。また、論文の発表のために日本語を磨くための、日本語添削プログラムがあります。事務的な手続きとしてビザ更新申請のお手伝いもしています。
たくさんの国の学生が文学部に来ていますので、積極的に授業で話したり、友だちになったり、チューターになったりするチャンスはあります! Broaden your horizons!
研究活動
略歴
アメリカ合衆国のアイダホ州ボイシ市生まれ、北星学園大学に交換留学、マクフーソン大学卒業、北海道大学文学研究科博士後期課程修了、白樺学園高等学校、北海道教育大学札幌校、北海道教育大学旭川校を経て現職へ。
主要業績
- 『なまら内村鑑三なわたしー二つの文化のはざまで』(柏艪舎)2011年
- 「新渡戸稲造と札幌農学校の国際人」『新渡戸稲造に学ぶ』、北海道大学出版会、2015年
所属学会
- 日本宗教学会
- 日本基督教学会
- 北海道基督教学会
教育活動
授業担当(全学教育)
- 国際教養演習 I
おすすめの本
- 『聖書の日本語—翻訳の歴史』鈴木範久(岩波書店)
言語・翻訳・歴史・宗教ーどれにも興味のある人は楽しんで読める本だと思います。