ウルフディビッド

プロフィール

ウルフ・ディビッド 教授 / WOLFF David
研究内容

極東・満州のロシア人、グローバルな視点で見た日露戦争、アジアの冷戦史などのテーマに取り組んでいる。

研究分野
ロシア史、冷戦史
キーワード
スターリンのユーラシア外交、第一次大戦・革命期のロシア
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/スラブ・ユーラシア学講座/スラブ・ユーラシア学研究室
連絡先

研究室: スラブ・ユーラシア研究センター529
TEL: 011-706-3788

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
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Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
スラブ・ユーラシア学研究室ウルフ・ディビッド 教授

世界最大の国家ロシアの歴史

スラブ・ユーーラシア研究センターではロシア史を担当しています。ロシアは何世紀にもわたりユーラシア北方全域に影響を及ぼし、支配を広げた強国です。そのため、ロシア史の講義ではスラブ民族が住むユーラシア大陸の広範な地域を扱います。現在ロシアは世界最大の国ですが、ソビエト連邦時代には更に広い領土を保有していました。

国際交流科目で担当するのはピョートル大帝の時代からロシア革命を扱う帝政ロシア史と、主にソヴィエト連邦を扱う20世紀のロシア史で、それぞれ隔年で教えています。これらの講義は相応の英語力のある北海道大学の大学院生ならば専門分野にかかわらず受講出来ます。

歴史的な思考力の重要性

私が教育の中で大切にしているのは、歴史的な思考力を伸ばすこと。つまり様々な出来事や過程を論理的に理解し、どのような要因がいかなる結果をもたらしたのかについて考察する力をつけることです。歴史的な思考力を身につければ、新聞で読む時事について理解できるようになるだけでなく、マスメディアには書かれない重要な情報の存在について認識を深めることが出来ます。沢山の史料を集めることは出来ても、あり得る全ての情報や史料を収集することはしばしば不可能です。歴史家の仕事は、歴史的思考によって過去と現在の空白を埋めることとも言えるかもしれません。

研究活動

略歴

1960年生まれ。1981年ハーバード大学卒業(歴史・文学部)、1991年カリフォルニア大学バークレー校大学院博士号(歴史学)取得、1991年プリンストン大学社会学部助教授、1997年ウッドロー・ウイルソンセンター冷戦史プロジェクト上級研究員、2006年現職

主要業績

  • 著書:To the Harbin Station: The Liberal Alternative in Russian Manchuria, 1898-1914 (Stanford University Press, 1999)
  • 〔日本語訳〕『ハルビン駅へー日露中・交錯するロシア満州の近代史』半谷史郎(訳)、講談社、2014年.
  • 共著:Le KGB et les pays baltes (with Gael Moullec) (Paris: Belin, 2005)
  • 共編著:The Russo-Japanese War in Global Perspective: World War Zero, vols. I and II (with Steinberg, Marks, Menning, Schimmelpenninck, and Yokote) (Leiden: Brill, 2005-7)
  • Rediscovering Russia in Asia (with Stephen Kotkin) (Armonk, NY: ME Sharpe,1995)
  • 論文:“Evrei v Kharbine, 1903-1914,” Ab Imperio 4 (2003)

所属学会

  • Association for Slavic, East European, and Eurasian Studies
  • ロシア史研究会

教育活動

授業担当(文学院)

  • スラブ・ユーラシア研究特殊講義
  • スラブ・ユーラシア総合研究特別演習

おすすめの本

  • E.H. カー著「歴史とは何か」(岩波書店、 1962)
    カ―教授はもともとイギリスの外交官でしたが、後に第一級の初代ソビエト研究家となりました。現在は過去に規定されるのか? 現在の在り様が、過去の理解に影響を与えているのか? 将来を予測することは可能なのか? この本を読めば、歴史と政治や哲学との関係性を理解することが出来るでしょう。