プロフィール
- 研究内容
近代日本語(明治〜戦前期)を対象に、帝国議会議事速記録や近代日本語教科書などの歴史的言語資料のコーパス化、テキストマイニング
- 研究分野
- 国語学、日本語教育
- キーワード
- 近代日本語、コーパス言語学、帝国議会議事速記録、テキストマイニング、日本語教育史
- 文学院 担当専攻/講座/研究室
- 人文学専攻/言語科学講座/言語科学研究室
- 関連リンク
Lab.letters

近代日本語変遷研究の一級資料、
帝国議会議事速記録
明治23年に貴族院・衆議院の第一回議会が開かれた帝国議会の議事速記録は、近代日本語の変遷を見る上で一級品のテキストです。約56年、全92回回もの長きに渡る速記録が現存する国会記録は世界的にも珍しく、テキストマイニングに適した一定のレイアウトも維持しています。さらには当時国が養成していた速記者たちが非常に優秀で、話されたままに近い形で記録されているという、日本語研究の要件を十二分に満たしています。そこに着目した我々のプロジェクトでは現在ネットで公開されている帝国議会議事速記録の精度をさらに高めるため、情報工学系研究者と共同で修正システム「ハルニレ」を開発しました。生成AIもない時代に日本語と向き合った先人たちの不断の営みを次代に伝えようとしています。
研究支援の“第二次産業者”、
原典にあたる楽しさを大切に
『源氏物語』のような古典を生み出した作者たちを国語学(日本語学)研究における「第一次産業」の担い手だとすれば、そのことばを研究に使える形へ整える取り組みは「第二次産業」、それを用いて論文を発表する研究者は「第三次産業」にあたります。どれが欠けても研究は成り立ちません。近年は分野を問わず、デジタルデータが研究に欠かせないものとなりました。けれども出発点は変わらず、原典に丁寧にあたり、そこからしか見えてこない自分だけのテーマを探り当てることにあります。図書館や文書館には、まだ誰も手をつけていない原典が眠っています。国語学(日本語学)の入口に立つ皆さんにも、ぜひ原典にあたる楽しさを実感してもらいたいと願っています。
(聞き手・構成 佐藤優子)
メッセージ
近代日本語を対象とし、「なぜこの表現が生まれたのか」「いつ頃から使われるようになったのか」——そうした問いを立て、コーパスとテキストマイニングを使用して調査・分析します。
現在は、帝国議会議事速記録や近代日本語教科書のデータ化・分析を中心に進めています。また、こうした調査を支える言語資源をいかに構築するかという問いも、研究の重要な柱の一つです。国語学・日本語教育の視点を軸としながら、デジタルな手法を組み合わせてことばの使用実態に迫りたいという方を歓迎します。
研究活動
略歴
宮城県仙台市生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了、博士(文学)。専門は国語学、日本語教育。タイ国立タマサート大学教養学部日本語学科・同大学院日本学研究科外国人専任講師、財団法人交流協会(現:公益財団法人日本台湾交流協会)台北事務所文化室日本語センター日本語専門家、名桜大学准教授、北海道大学准教授を経て北海道大学教育イノベーション機構教授。
主要業績
- 『近代日本語教科書語彙索引』(2021年・勉誠出版)
- 『近代日本語史に見る教育・人・ことばの交流:日本語を母語としない学習者向け教科書を通して』(2017年・大空社出版)
所属学会
- 計量国語学会
- 情報処理学会
- 日本語学会
- 日本語教育学会
- 國學院大學国語研究会(評議員)
- 人文科学とコンピュータ研究会
- 日本近代語研究会
- 日本語教育史研究会(運営委員)
- 日本タイ協会
- 藤女子大学日本語・日本文学会
- AI俳句協会
教育活動
授業担当(文学院)
- 日本語学特殊講義
- 日本語学特別演習
授業担当(全学教育)
- アカデミック・スキル(アカデミックライティング)
- 日本学講読(キャリアプランA)
- 日本学講読(日本語の歴史)
おすすめの本
- 岩波書店『シリーズ言語資源学』
国語学や日本語学分野において、シリーズ名に「言語資源学」ということばを使用したのはこれが初めてではないでしょうか。既刊のものだけではなく、今後刊行されるものについても楽しみなシリーズです。

