「プラス1ピース読書会Vol.11」開催されました

2019年6月27日(木)、文学研究院「書香の森」にて第11回「プラス1ピースの読書会」が開催されました。今回取り上げたのは、水溜 真由美先生(映像・現代文化論研究室)の著作『堀田善衞 乱世を生きる』です。

まず、堀田善衞とはどういう人物であったか、彼が生きた時代の背景について解説がありました。次に、水溜先生がこの本を執筆した経緯、執筆までのエピソードの紹介がありました。さらに、堀田作品の特徴やその内容について、堀田の著作や解説本の引用も交えて説明がありました。乱世を生きた教養人の堀田は、そのあふれんばかりの知識と思想を固く難しく語るのではなく、読みやすく再構成している点が魅力でファンが多いこと、これまで意外と研究されてこなかったが、最近になって注目され始めたことなどが語られました。

今回のプラス1ピースのキーワードは「ジブリ」。スタジオジブリの宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーが、堀田善衞のファンであり、ジブリ作品にその影響が垣間見られることを例を挙げて解説されました。また、スタジオジブリが堀田善衞の3作品を復刊し、NHKライブラリよりビデオプログラムを制作したことを実物パッケージとともに紹介されました。

平日のお昼休みにもかかわらず学外からの来場者もあり、「読書会というのは、2時間くらいじっくりと語り合うイメージがありますが、こういう短い時間でエッセンスを凝縮したような企画もいいですね。」という感想をいただきました。