内容紹介
言語学には言語学の流儀があり,言語学の共通基盤がある。これはどの学問分野でも同じであるが,「ことば」はあまりにも日常卑近なせいか,個々人の感覚や感情に基づく思い込みが繁殖しやすい領域でもある。かつて言語学を学んだ人でも現在の言語学の多様化・細分化・高度化の状況を知れば,その進展の速度に驚くだろう。言語学の全体像を過去から未来へ俯瞰して眺めてみよう。
著者からのコメント
言語学の入門書のように見えますが,概説書・入門書のたぐいではなく,現在の言語研究の実像とその課題を大づかみに理解するための本です。近代言語学の父と言われるジョーンズ卿の実像,日本語のマウンティング,「おれ」を自称詞に使う女子中学生,滅びゆく言語と言語学者の苦悩,公用語について議論されないこと,など,さまざまなトピックを見ながら,言語学の過去と現在を理解し,進むべき方向性を考えます。
外部リンク
〔出版社〕筑摩書房の紹介ページ