内容紹介
使徒パウロの「ローマ書」を主な考察対象とし、アリストテレス哲学を共約性規準、共通尺度として立て、その言語哲学により意味論的分析を行います。その分析に基づき「ロゴスとエルゴン(理論と実践)」の相補性、書簡の無矛盾性、心魂における信の根源性を明らかにします。とりわけ、ローマ書根幹部(3:22)のラテン語訳から始まった誤訳の指摘により、信仰義認論や予定論等多くの神学、哲学論争に終止符を打ち和解への基礎を築きます。
著者からのコメント
信じるひとにも信じないひとにも理解できる次元でローマ帝国に革命的な変革をもたらした「ローマ書」の力を提示しています。心魂の根底の探求をパウロとともに遂行していただければと存じます。
外部リンク
〔出版社〕北海道大学大学出版会の紹介ページ