2022.11.10

ウェルビーイング社会学

著者名:
櫻井義秀(編著、はじめに・第1章・第5章)
分担執筆: 清水香基(第4章・第16章)、樋口麻里(第7章)、伍嘉誠(第14章)
文学院・文学研究院教員:
伍 嘉誠 ご かせい 教員ページ
櫻井 義秀 さくらい よしひで 教員ページ
清水 香基 しみず こうき 教員ページ
樋口 麻里 ひぐち まり 教員ページ

内容紹介

本書は、従来の社会学の面目を一新するウェルビーイングのライフコース的アプローチとその課題について概説するという新しい社会学のテキストです。人の誕生から人生の最期までそれぞれの人生の段階においてどのような発達課題があるのか、そして、どのような問題があって解決のための試みや改善策が出されているのかを解説しています。現代社会の課題を他人事ではなく、自分の問題として受けとめてもらうために自分の人生行路において遭遇する社会的課題を学習してほしいという執筆者たちの願いを込めております。

著者からのコメント

何のために学問はあるのか。私たちは何のために学んでいくのか。それは私たちが幸せに生きられるようになるために、人生で直面する諸問題に適切に対応するために、そして、世界中の苦難に直面する人々に対して想像力を働かすことができるようになるために学び、生き方に生かしていくのではないでしょうか。

本書では、次のような工夫をしております。

  1. 見開きで左側の8頁分が図表とコラム、右側の8頁分が本文になっています。 学生は10分から15分あれば、本文を読了することができますので、簡単な事前学習が可能です。教師は図表とコラムを資料として自由に講義を組み立てることもできます。
  2. 章の構成として、全体を基本的学習と応用的学習の項に分け、それぞれをさらに2つの項で分けて、学習すべき要点と未解決の社会的課題が明確になるように説明されています。
  3. ウェルビーイング研究や社会学の専門用語については、本文中もしくはコラムで語義の定義について解説をしています。この二つの領域について基礎的知識がゼロからの学習であっても、本書読了後にはウェルビーイングの研究課題が何であるか、社会学のものの見方がある程度わかるようになります。
  4. 各章末に「参考文献5冊」と「考えてみよう・調べてみよう」のボックスを付しており、 自分で学習を進めたり、少人数のグループで課題を示して学習を促したりすることにも使えます。
ISBN: 9784832968875
発行日: 2022.11.10
体裁: A5判・320ページ
定価: 本体価格2,600円+税
出版社: 北海道大学出版会
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

第1章 ウェルビーイングとライフコース
――その視点と射程
第2章 誕生から思春期まで
――「子ども」、「家族」、「教育」の変容と多様性
第3章 子どもの貧困
――社会が子どもの権利を守るために
第4章 若者のウェルビーイング
――多様化する若者とその幸福像
第5章 生きがいの探求とカルト
――メンタル・キャピタルとレジリエンス
第6章 職業生活とストレス
第7章 社会のバロメーターとしての自殺現象
――個人レベルと集団レベルから自殺を考える
第8章 結 婚
――多様化するライフコース・家族と幸せのかたち
第9章 キャリアとワーク・ライフ・バランス
――家事・育児とジェンダー
第10章 障がいとウェルビーイング
――障害者の暮らし・学び・就労
第11章 病いと向き合う人々のウェルビーイングと支援のあり方
第12章 社会保障とソーシャルサポート
――超高齢多死少子社会における介護問題
第13章 老いの諸相と居住環境
――役割なき役割と準拠集団
第14章 東アジアの高齢者扶養と社会保障
――福祉レジーム、家族支援型福祉の限界
第15章 人生の最終段階とグリーフケア
――最期まで生きることを支える支援のあり方
第16章 データから見る日本と世界のウェルビーイング
――指標を通して考えるこれからの社会とウェルビーイング