内容紹介
日本語の語用論研究にかかわる多様な研究を集めた論文集です。2年前に刊行された『日本語語用論フォーラム1』に続き、ベテランから中堅、若手までの多彩な研究者による先端的な論考を集めており、いずれも読み応えのある論文です。指示詞に関する論文は、神経言語学的な手法や国語史的な研究で、従来の理論的研究とは一線を画します。事例語用論も新しい枠組みを提唱するものです。
著者からのコメント
加藤重広「日本語副助詞の統語語用論的分析」は、日本語の助詞の重複承接現象を扱っているので、一見すると,文法論に見えなくもないですが、語用論的な要因から承接現象を捉えています。助詞の出現する位置関係をスロットという概念をつかって説明している点が新機軸です。言語学では、バントゥ諸語での動詞への接辞の位置をスロットで説明することがありますが、日本語においても膠着性を発揮する構造ではもっとスロット構造が考えられるかもしれません。
外部リンク
〔出版社〕ひつじ書房の紹介ページ