内容紹介
本書は、言語情報学という新しい領域のもとに、新しい研究成果を持ち寄ることで編んだ論文集である。言語学と情報科学という、かつてはなかなか協働関係を形成しにくかった文理境界領域の学術をどのように形成していくかの格闘の歴史を踏まえた成果であり、文理融合の新領域の論考について、ことば・文字・文献・教育・解釈・統語・文体・データといった切り口から成果を発信する意欲に満ちた一冊になっている。
著者からのコメント
本書は,情報科学の成果と言語研究の成果を持ち寄り,言語情報学という領域を確立すべく,小野芳彦北海道大学教授(文学研究科)の停年にあわせて,その薫陶を受けたものたちが論考を寄稿して上梓に至ったものである。全体を,「第1部 情報科学の理論と技法」と「第2部 情報科学と言語学との接点」に分け,前者には「日本語の文字の情報量と国字改革」「構文構造に着目した作家の文体の類似性」の2編を,後者には「日本語の情報構造と語用論的選好」「『大広益会玉篇』データベースの構築と利用―『篆隷万象名義』『新撰字鏡』『大宋重修広韻』との対応」「近代日本における基本漢字集合の系譜―『文字のしるべ』・Chinese Characters・「三千字字引」を中心に」「お笑い番組のテロップに関する日韓対照研究」「アイヌ語古文献研究と情報処理」「フランス語とスペイン語における定冠詞の分布について」「アイスランド語研究の歴史と言語規範の形成)」の7編を収録している。
外部リンク
〔出版社〕現代図書の紹介ページ