内容紹介
東京を拠点に活動する現代アーティスト、ミヤギフトシのモノグラフ。セクシュアル・マイノリティをはじめマイノリティの表現を模索してきたミヤギは、写真や映像、インスタレーションに加えエッセイや小説を発表し、従来「アート」と「文学」と区分されてきた領域を横断する表現をつづけている。本書は、アート、クイア理論、文学の専門家がそれぞれの視点からミヤギ作品を論じる論集部分と、ミヤギ作品の図版と解説、インタヴューなどの資料部分を併載した、包括的モノグラフである。
著者からのコメント
本書の装丁は少し変わっています(デザイン:木村稔将)。通常よりかなり縦長の帯に、ミヤギフトシが2012年にはじめた「American Boyfriend」のブログからの文章が引用されているのです。このブログからミヤギの映像作品や小説作品だけでなくトークイヴェントなどさまざまな活動が生まれ、さまざまな人がその活動に関わってきました。…本書は、ミヤギフトシという作家のモノグラフですが、同時にミヤギフトシがさまざまなかたちで生み出してきた人や行為のネットワークの延長ともいえるかもしれません。本書を通じてより多くの人がミヤギ作品とつながり、作品が繊細に描写するマイノリティの生き方に想いを馳せてほしい、そう思っています。