内容紹介
揺れ動く社会において、現代宗教は人々を幸せにできるのか?最新の調査やデータに基づき、宗教学の立場からはじめて幸せの問題に迫った画期的論集。
著者からのコメント
近年、人々のウェルビーイング(主観的な幸せ感と客観的な生活の諸条件)を高めるために何が必要なのかと、さまざまな実践的・臨床的学問で論じられている。健康の維持、良好な人間関係、そして過不足ない経済生活がウェルビーイングの主たる三要素であることが広く知られている。では、病を得ていること、人間関係に悩んでいること、貧しさに喘いでいるという人たちは幸せになれないのか。不足が不足のままであれば幸せとは言えないというのが社会科学の診断である。ところが、不足とは考えずに前向きな人生観を持つ人たちも少なくない。現代のウェルビーイング研究では、人は何によって人生に対して前向きに歩めるようになるのかという大きな課題に直面している。日本ではそこに宗教観や宗教文化を持ち込む研究が少ない。それに対して海外では宗教が人々に希望を与える機能を大いに評価している。
本書は、宗教とは何かという数ある定義の一つに、「宗教を生きる人たちは幸せを求め、幸せ感を得ているようだ」という仮説を加えた上で、宗教が人を幸せにするということはどういうことなのかと、現代社会のさまざまな文脈の中で考えぬいた論集である。
☆関連書籍
櫻井義秀・川又俊則編『人口減少社会と寺院ーソーシャル・キャピタルの視座から』(法藏館、2016年3月)
外部リンク
〔出版社〕法蔵館の紹介ページ
【書評】
・『キリスト新聞』 No.3466, 2018年2月21日掲載 書評欄
・『グローカル天理』 通巻219号, 2018年3月号掲載(天理大学附属おやさと研究所) 図書紹介(103)
・「中外日報」2018年2月23日社説 宗教と幸福 人を幸せにするためには