内容紹介
本書は、EU離脱に揺れるイギリスの〈いま〉を考えるために求められる歴史的視座を提供することを狙いとする。第二次世界大戦を起点とする福祉国家体制の形成,「英国病」とサッチャリズム,そして現在へと,戦後イギリスのあゆみを描く通史であり、政治・経済のみならず,国際関係や,階級・文化をめぐる社会変容にも着目し,多面的な現代史像を描く。
著者からのコメント
本書は、北海道大学でおこなってきた一年生向けの「イギリス史」と「現代史」に関連する講義や演習、またそれらを専門課程の学生向けに再構成した「イギリス現代史」の講義をもとに書き下ろされたものである。執筆作業は、EU離脱という歴史的事件を受けて緊迫した状況のもと、依頼を受けてからきわめて短期間で進められることになった。その過程で、最近の歴史研究の成果をいくつか取り入れることができたが、本来の専門ではない領域も取り扱うことになり、些か心もとないところもあった。いまは、何とか一冊にまとめることができたことに安堵している。本書を通じた多くの読者との対話を楽しみにしている。
外部リンク
〔出版社〕岩波書店の紹介ページ