2017.03.31

北東アジアにおける帝国と地域社会

著者名:
白木沢旭児(編著)
文学研究院教員:
白木沢 旭児 しらきざわ あさひこ 教員ページ

内容紹介

19~20世紀の北東アジアは、ロシア(ソ連)、清(中国)、日本という3つの帝国が勢力圏を交錯させていた、世界でもまれな地域であった。本書は、これを地域社会の視点から描くことにより、満洲・朝鮮・樺太・台湾に関する新しい地域史像を提示している。

著者からのコメント

近年、「帝国日本」あるいは「日本帝国」という用語を冠した著書・論文が多数刊行されるようになった。しかし、1960年代・70年代に盛んに行われた日本帝国主義研究と何が変わったのか、何が新しいのかが曖昧なまま、言葉の選択が帝国主義から帝国に転換したかのように思われる。本書の執筆メンバーは、全員ある時期に札幌で活動していた、という共通点を持つ。科研の共同研究を通して、共同調査を経験し、研究会を積み重ねてきた。そして、各執筆者が専門とする地域の分析を深めるとともに、北東アジアの歴史的な特質とは何か、帝国とは何かをそれぞれが考え、その結果が本書に結実している。日本における帝国史研究の一つの到達点として、多くの読者の目に触れることを期待したい。

ISBN: 9784832968318
発行日: 2017.03.31
体裁: A5判 504ページ
定価: 本体価格8,200円+税
出版社: 北海道大学出版会
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序 帝国と地域社会に関する覚書
第1部 帝国のプレゼンスの原初形態
 第1章 「トコンへ一件」再考
 第2章 日露戦争期から辛亥革命期の奉天在地軍事勢力
第2部 帝国と「勢力圏」
 第3章 植民都市・安東の地域経済史
 第4章 日中合弁企業:栄口水道電気株式会社の経営展開
 第5章 1940年代初頭の奉天市における中国人工場の地域分布
 第6章 朝鮮人「満州」移民体験者の語りの諸相についての一考察
 第7章 日中戦争までの日中関係を改善するための胡適の模索
第3部 帝国と「公式植民地」
 第8章 旧植民地在住日本人の記憶とその記録
 第9章 第二次朝鮮教育令施行期(1922〜1938年)における女子高等普通学校卒業生の進路選択について
 第10章 植民地企業城下町の構築と変容
 第11章 朝鮮北部残留日本人の活動と「脱出」・「公式引揚」
 第12章 日本の植民地下における生漆「国産化」の展開過程
 第13章 日本領期の樺太における温泉開発と温泉をめぐる人びとの精神誌